半導体市場調査会社である米IC Insightsのプロセス別の月間ウェハ投入枚数(200mmウェハ換算)調査によると、先端プロセスとなる28nm未満の製造ラインへのウェハ投入枚数は2019年末までに全体の49%を占めることが予想されるという。また、量産段階の最先端プロセスである10nm未満の製造ラインへの投入枚数は2019年で5%、2023年までに25%となり、プロセス別に見た場合、もっとも投入数が多いプロセスになるともしている。
2019年10月時点で10nm未満と称したプロセスを用いてデバイス生産を行っているのはTSMCとSamsung Foundryのみ。日本と韓国は20nm未満~10nm以上のプロセスでは大きなシェアを占めているが、その大部分がNANDとDRAM(韓国のみ)だという。また、台湾でもロジック向けに14nm/10nm/8nm/7nmプロセスが提供されているが、それが20nm未満~10nm以上のプロセスの約半数を占めており、残りの半分はMicron Memory Taiwanなどで生産されるDRAMが占めているという。
また、各国・地域別で見た場合、同社では、韓国はほかの国・地域よりも先端プロセス(28nm未満)に焦点を当てているが、その最大の消費分野はNANDとDRAMで、これらを中心として大量にウェハを投入しているほか、中国でも28nm未満のプロセスで製造が進められているが、そのいずれもがSamsung、SK Hynix、Intel、TSMCといった海外勢によるものとなっている。さらに台湾は幅広いプロセスにおいて世界トップクラスの生産能力を有しており、中でも28nm、45/40nm、65nm世代についてはTSMCやUMCなどのファウンドリ勢にとっての売り上げの柱の1つとなっていると説明している。
なお、各社がうたっているプロセスについては、かつてのITRSが定義していたようなきっちりとしたものではないため、何を持ってXnmとするのか、ということがあいまいな状態となっていることに注意が必要である。