NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月16日、多段構成のエッジコンピューティングを組み合わせたローカル5Gの実証実験環境を構築し、2020年2月より検証を開始すると発表した。

同社は、端末からの距離が異なる複数のエッジサーバを多段で構成し、ニーズに応じて最適な位置におけるデータ処理を可能にする多段エッジコンピューティングの技術開発を進めている。

エッジコンピューティングでは、エッジの位置によって得られる効果が異なる。ネットワークエッジで利用する場合は、複数拠点からのデータ収集が可能になると同時に、通信量および通信コストの削減やデータ漏洩リスクの軽減が見込まれる。また、CPEで利用する場合は、遅延の極小化とネットワーク障害の影響を受けないことによる可用性の確保などの効果が期待できる。

このように、目的に応じてエッジの位置を選択したり、組み合わせたりすることが、多段エッジコンピューティングにより実現する。

実証実験は、同社のラグビーチーム「シャイニングアークス」のホームグラウンド「アークス浦安パーク」で行われる。検証では、ローカル5Gで用いる電波の伝搬・通信特性や、システムの機能検証を行う。また、スポーツ分野や「Smart Factory」における利用など、さまざまな活用事例を想定しながら、「VxF基盤」の機能拡充に求められる要件を抽出する。

2020年度以降は、NTT Comが提供する「Smart Data Platform」や「Flexible InterConnect」と組み合わせた実証実験を複数拠点で実施する予定。

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