日本マイクロソフトは、2019年10月15日~18日にかけて幕張メッセにて開催されているCPS/IoTの総合展「CEATEC 2019」において、メディアブリーフィングを開催し、「Windows for IoT」の考え方を披露したほか、NXP Semiconductorsが提供するi.MXプロセッサファミリのWindows 10 IoT Core向けBSP(Board Support Package)の一般提供を開始したことを明らかにした。
Windows for IoTは、特定のソリューションだけではなく、幅広くサポートと製品の提供を行っていくことを示すもので、小規模なスマートデバイス向けには「Windows 10 IoT Core」が、Windows 10 IoTのフル機能を活用する場合には「Windows 10 IoT Enterprise」が、エッジコンピューティングのワークロード向けには「Windows Server IoT 2019」がそれぞれ提供される。
また、i.MXのWindows 10 IoT Core向けBSPとして提供が開始されたのは、i.MX6/7のほか、i.MX8Mならびにi.MX8M MiniでこれらをWindows 10 IoT Coreを組み合わせることで、安全かつ高信頼性のコネクテッドデバイスを開発することが容易になるという。
また、このほか、Windows for IoTではWindows Machine Learning(Windows ML)とWindows Vision Skillsをサポートしており、インサイダープレビューとして、Windows MLコンテナも提供が開始されたことも明らかにされた。これはWindows ML APIを使用して構築されたAI推論ワークロードに特化して設計されたもので、これを活用することで、ホストされたAIワークロードに対して、ハードウェアアクセラレーションと周辺機器への直接アクセスが提供されるため、ホストされたワークロードは接続されたセンサやカメラを利用することができるほか、任意のGPUやホストに接続されたMicrosoft Compute Driver Model準拠のASICを使用してアクセラレーションを行うことが可能になるという。
また、コンテナサイズはディスク上で350MBと、ほかのGPU対応推論処理コンテナと比較してかなりの軽量と同社では説明しており、これによりカスタマは容易かつ安価に管理することができるようになると同社では説明している。
このほか、同社は2019年末までにSQL Server IoT 2019を提供する予定であることも明らかにしている。これはSQL Server 2019と同等バイナリであり、OEMチャネル経由でライセンスされ、アプリケーションソフトウェアを稼動する専用エッジアプライアンス向けに設計されたもので、Windows Server IoT 2019と組み合わせることで、基幹系データアナリティクスの総合的データベースプラットフォームとして活用することができるようになるという。