米Pure Storage(ピュア・ストレージ)が9月17日~18日の期間で米国テキサス州オースティンのAustin Convention Centerにおいて開催した年次カンファレンス「Pure//Accelerate 2019」。本稿では、昨年末に同社のCIO(Chief Information Officer)に就任したCathy Southwick氏のインタビューを紹介する。
顧客目線から見るピュア・ストレージ
--これまでの経歴とピュア・ストレージとの関係、同社にジョインした理由を教えてください。
Southwick氏:昨年末にAT&TからPure Storageにジョインし、米国内のネットワークを対象にテクノロジーエンジニアリングとして従事していました。AT&TとPure Storageは2013年からビジネスを開始しています。
Pure Storageは他社とは異なる価値提案と能力をAT&Tにもたらしてくれました。それは“新しいストレージ”やTCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)モデルなどの提唱です。その際、AT&Tではストレージの管理によるイノベーションを模索していました。
また、ビジネスの簡素化を達成しなければならなく、パフォーマンスの向上と柔軟性の確保、イノベーションを起こさなければならないという状態でした。そこで、Pure Strageが助けとなったのです。
これにより、ストレージ管理やビジネス拡大のみならず、ビジネスのフットプリントを向上してくれました。つまり、ITビジネスの階層が拡大したのです。
AT&Tからピュア・ストレージに転職するときには、顧客として製品に対する理解はあったため、Pure Storageがもたらす価値や製品、能力は把握していた。そして、ピュア・ストレージにより、どのようにビジネスが変革できるのか、という点についても深く理解していました。
CIOとして入社し、利点としては顧客の観点から製品を理解しており、どのようにITの組織を拡張するかということにもノウハウを持っています。元々は顧客であった観点からピュア・ストレージの顧客に対し、どのようなベネフィットがあるのか理解することを助けていると思います。
ピュア・ストレージのビジネスが拡大するに伴い、ITの役割が変化し、ストレージのビジネスだけでなく、全体で成長する際の課題についても理解しています。Pure Storageは、ストレージテクノロジーの会社として顧客を抱えるのではなく、顧客が導入によるコスト削減で得たものをビジネスのほかのイノベーションに投資することで、成長できるのです。
いま現在のピュア・ストレージにおける課題
--CIOとして自社の課題をどのようにとらえていますか?
Southwick氏:IT組織で難しいことは、インフラと近代化、イノベーションのバランスをとらなかればならないということです。簡素化されたエクスペリエンス(体験)と多様なコストモデルにより、ほかのイノベーションをITのインフラストラクチャ全体を通して行うことができたのです。
われわれは、スタートアップから大企業まで顧客の要望を成し遂げることを中核に据えています。それには良い点・悪い点があり、メリットとしては迅速に顧客のニーズを満たすということにフォーカスしています。
一方、課題としてはビジネスが拡大するにつれて、成功した手法でPDCAを回すことがあるかと思いますが、個々の領域を成長させるにはスケーラブルなプロセスが必要だと感じています。成熟した組織をどのようにスケールアップし、必要なスキルをどのように継続的に伸ばしていくかということがチャレンジです。
優良な企業は、なんでもできるという姿勢ですが、ほかに何を学ぶべきかというポジティブな姿勢もあります。それも現在のわれわれの課題であり、複雑になりすぎないように俊敏性も確保しなければならないと考えています。