三井不動産、清水建設、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の3社は共同で、COREDO室町1・2・3を対象とした屋内測位環境を構築し、日本IBMのAI技術であるIBM Watsonの対話機能と連携したバリアフリーナビゲーション「インクルーシブ・ナビ」のサービスを、10月より実装することを発表した。
このサービスは、清水建設と日本IBMが共同開発した屋内外音声ナビゲーション・システムとIBM Cloud上で提供するWatsonの対話機能を連携し、車いすやベビーカーの利用者、視覚障がい者を含む来街者を、それぞれに適した誘導方法により目的地まで快適に案内するもの。
来街者は、スマートフォンにあらかじめダウンロードしたナビゲーション用のアプリを起動し、対話やメニュー検索などにより目的地を設定する。具体的には、一般歩行者、車いす利用者、ベビーカー利用者、視覚障がい者といった属性を設定したあと、対話形式での案内が展開される。
そして目的地が決まると、音声と地図によるナビゲーションが始まる。一般歩行者に対しては最短経路、車いす利用者やベビーカー利用者に対しては階段や段差のない経路を選定し、地図上に現在位置を示しながら、目的地に辿り着くまでに必要な情報を音声でほぼリアルタイムに提供するという。
また、視覚障がい者に対しては、例えば「9メートル進み、正面のエレベーターを使って3階へ上がる」「扉の右に呼び出しボタン。点字有り」など、移動に必要とされる情報を音声で提供するということだ。なお、目的地の設定、音声ナビゲーションともに日本語と英語に対応している。
なお、今回のサービス導入は、あらゆる人々の活動を支援できる都市環境の構築と、それらを活用した日本の「おもてなし」の進化、バリアフリー・ストレスフリーな街づくりの実現が目的だとしている。
今後、2019年冬に日本橋三井タワーへの拡大を予定しているほか、日本橋エリア内の他施設におけるサービスの導入や、システムを構成する高精度測位技術を用いた新たなサービス提供、管理効率化などを検討しているということだ。