AGCは10月9日、独自のデータサイエンティスト育成プログラム「Data Science Plus 」を確立したことを発表した。
この育成プログラムの対象者は、データサイエンスに関わる入門講座・基礎編・応用編と段階的に選抜される研修を行った後、AGC先端基盤研究所への半年〜2年間の社内留学を行う。
社内留学では、各部門での具体的な課題を持ち込み、起案から実用化までを複数経験することで、素材製造業に必要とされる体系的な知識と経験を習得。その後、自部門に戻りデータ解析による品質予測・異常検知・数理計画・製造条件最適化といった幅広い課題解決に取り組み、部門でのデータ活用を促進する役割を担うという。
今年、同プログラムの先端基盤研究所への社内留学までを全て修了したデータサイエンティスト1期生で、AIを用いた自動検査システムの内製開発を行ったという。このシステムではリアルタイムに取得する画像データから欠陥を抽出、判別することが可能で、実際にガラス製造工程へ導入し、製品の高品質化に貢献しているということだ。
同社はこのプログラムを活用し、2022年までにハイレベルなデータサイエンティストを、国内外の同社グループ社員の中から50人以上育成する計画だとしている。同プログラムの受講生は延べ1,000人に達しており、今後同社の各事業においてデータサイエンスを最大限に活用できるよう、さらに体制を充実させていくとしている。