デル テクノロジーズは、2030年までを見据えて新たに出現する多様なテクノロジーが我々の生活にどのような変革をもたらすのかを調査した最新レポートである「Future of Connected Living(コネクテッド リビングの未来)」を公開した。同調査は世界40カ国以上4600人のビジネスリーダーを調査対象としており、その76%が自動化により時間の使い方を見直すと回答し、56%が日常的なVR(仮想現実)及びAR(拡張現実)への没入体験を歓迎すると回答している。
同調査は、同社が米IFTF(Institute for the Future、未来研究所)及び英Vanson Bourneとパートナーを組んで実施したもの。
IFTFなどは、エッジ コンピューティングや5G、AI(人工知能)、XR(Extended Reality)、IoTなどのテクノロジーが合わさることにより、今後の10年間で、5つの大きなシフトが起こると予測している。
具体的には、ネットワーク リアリティ(Networked Reality)、コネクテッド モビリティとネットワーク マター(Connected Mobility/Networked Matter)、デジタル シティからセンチエント シティ(意識を持った都市)へ、エージェントとアルゴリズム、ロボットのソーシャル ライフの5点。
ネットワーク リアリティに関して、新しいデジタル環境は、テレビやスマートフォン、その他ディスプレイといった機器を超えて、車、オフィス、自宅や人間の身体にまで拡張するという。
同調査では、56%のリーダーが、日常的なVRやARへの使用を歓迎すると回答している。また、同じく56%のリーダーが、考えるだけでコンピュータを制御するテクノロジー(ブレイン コンピュータ インターフェイス)に対応する人材の採用を歓迎すると回答している。
コネクテッド モビリティとネットワーク マターについて、未来の乗り物は「動くコンピュータ」になるという。同調査では、50%のリーダーが2030年までに自動走行車による旅行が可能になると回答した。
センチエント シティについては、スマートオブジェクトやセルフレポーティング システム、AIをベースにしたアナリティクスなどで構成した独自のインフラネットワークを通じて、都市は文字通り生きた存在になるという。
エージェントとアルゴリズムに関しては、個人が個々に高度にパーソナライズされた「生活のオペレーティング システム」によって支えられるようになるとしている。それぞれのニーズを予測し、先を読んで日々の生活をサポートするシステムにより、人間が自由に使える時間が増えるとのこと。
同調査では、76%のリーダーがタスクの自動化により時間の使い方を見直すと回答している。
ロボットのソーシャル ライフについては、ソーシャル ロボット ネットワークで新たな知識を共有し、イノベーションをクラウドソーシングし、リアルタイムの進化を促進すると予測する。
同調査では、70%のリーダーが人間の限界を超えるためにマシーンやロボットをパートナーにしたいと回答している。
一方で、これらの変化に対する課題を同レポートは指摘する。
例えば、変化を嫌うユーザーや企業には大きなシフトは課題になるかも知れないという。 また、新しいテクノロジーの力を活用したい企業は、データを効果的に収集・処理し、展開するための手順を踏む必要があるとのこと。
さらに、データ プライバシーに対する社会からの不安が高まっている中で、企業の人材採用からローン申請の許可判断まで多様な事項を決定するアルゴリズムの公正・公平性に対する懸念を払拭する必要があるという。
また、都市をセンチエント シティへ進化させる場合、政府・行政機関はデータを共有して展開するためにはどのように連携すべきなのかを学ぶ必要があると指摘する。
これらの課題に関して、調査対象であるビジネス リーダーの74%が、社会規模で解決しなければならない最大の課題の1つがデータ プライバシーだと回答している。
また、44%のリーダーが、AIに関する規制及び利用における透明性が必要だと回答した。