NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月1日、クボタと連携し、稼働中のごみ焼却施設においてディープラーニング(深層学習)を利用した実証実験を実施していると発表した。 燃焼時に発生する蒸気量をリアルタイムに予測することで、廃棄物発電の安定化を目指す。

  • 実証実験のイメージ

ごみ焼却施設では、ごみが燃焼する際に発生する熱から高温高圧の蒸気を作り蒸気タービンを回転させて発電する、廃棄物発電が進んでいるという。

しかし、投入するごみの性質や形状による蒸気量の変化に加えて、蒸気量の制御に関係するパラメータ(ごみを動かす装置の動作や空気の送り方など)が多数存在しているため、蒸気量の制御が難しく、安定的な発電ができていないのが現状だとしている。

NTT Comが開発したAI(人工知能)解析ツール「Node-AI」を用いて生成したごみ焼却の予測モデルを、時系列アトリビューション解析技術を使ってごみ焼却における多様な工程の可視化を行うことで、ごみ焼却に関するクボタの知見との照合が可能になったという。

これにより、約300に及ぶパラメータの中から重要なデータを絞り込み、蒸気量の変化の傾向を捉えるための分析処理を行うことで、1分先のごみ焼却状況に関する予測モデルを生成したとのこと。

加えて、この予測モデルを適用した予測システムを構築し、稼働中のごみ焼却施設に導入することで、運用者が常に1分先の蒸気量をリアルタイムにモニタリングできる環境を構築しているという。

今後両者は共同で、同実証実験により5分先や10分先の予測モデルの生成など、より高精度な蒸気量予測を行っていくという。