米IBMはこのほど、IBM量子コンピュテーション・センター(IBM Q Quantum Computation Center)を米国ニューヨーク州ポキプシーに開設したと発表した。これにより、トーマス・J・ワトソン・リサーチ・センター(ニューヨーク州ヨークタウン)のシステムがすでに含まれている「IBM Q Network」の商用量子コンピューティング・プログラムを拡張する予定。

IBMは量子ハードウェアへのアクセスに対する需要の増加に応えるため、IBM量子コンピュテーション・センターを通じて、10台の量子コンピューティング・システムをオンライン化した。

その内訳は、20量子ビットのシステムが5台、14量子ビットのシステムが1台、5量子ビットのシステムが4台となっている。そのうちの5台で、量子ボリューム(量子コンピューターの性能を示す指標)が16に達しているという。

  • IBM Q Quantum Computation Centerの様子 資料:IBM Research

IBMは1カ月以内に、商用量子システム群を14台に増やす予定としている。この中に含まれる53の量子ビットの量子コンピューターは、外部利用可能なものとして、単体で最大の汎用量子システムとなるとのこと。

IBM Q Quantum Computation Centerは、ビジネスや科学における実用的用途を探究することを目的とした、Fortune 500企業、スタートアップ、学術研究機関、国立研究所から成る世界規模のコミュニティ「IBM Q Network」のメンバーがアクセスできる。