NECソリューションイノベータは9月26日、「NEC 営農指導支援システム」の最新版を提供開始した。最新版では、農業産地で蓄積した気象・環境・生育・出荷などの実績データを「説明可能なAI」を用いて分析し、生育や収穫量に影響する要因の多様な条件における影響度や関係性を可視化して、予測モデルを提示し、生育予測や生産予測で利用可能だという。

  • 収穫量(3週後)の生産予測モデルの提示イメージ

予測結果や推定結果に至るプロセスが人間により説明可能になっているAI技術や機械学習のモデルを用い、農業産地で蓄積した気象・環境・生育・出荷などの実績データを独自のAIを用いて分析し、平均温度や飽差といった、生育や収穫量に影響する要因の多様な条件における影響度や関係性を可視化して、予測モデルを提示するという。

これを生育予測や生産予測で利用することで、販売戦略の立案に役立てられ、形式知化していない栽培知見の発見に役立てられるという。

また、キュウリなどの果菜やキャベツなどの葉菜については予測モデルを使用して生産予測を行い、週単位の出荷量の予測などの予測結果を提示する。

なお、生産予測機能はオプション。

  • 生育状況に関する情報の地図表示画面イメージ

また、GIS(地理情報システム)と連携し、同システムに登録した生産者の圃場位置及び、農業データ連携基盤に登録した筆ポリゴンデータを元にした圃場区画(境界線)を地図画面上に表示。表示した圃場ごとに、作業予定・実績や農薬散布の状況、生育状況などに応じた色分け表示に加え、圃場ごとの詳細情報の確認が可能だという。

そのほか、農薬利用登録時に、農業データ連携基盤に登録しているFAMIC(農林水産消費安全技術センター)農薬登録情報の農薬利用制限情報を元に、使用回数制限、成分別使用回数制限、使用禁止期間などの警告を表示するため、適切な農薬散布を支援するという。

同システムは、専用クラウド環境または共有クラウド環境を選択可能。

価格は、専用クラウド環境において、ユーザー数150人、取扱品目20品目、データ容量10GBの場合、初期費用が10万円(税別)、月額利用料が8万円(同)。 1年単位での利用となり、生育診断機能は別途有償提供となる。

共有クラウド環境において、ユーザー数20人、取扱品目20品目、データ容量4GBの場合、初期費用が10万円(同)、月額利用料が2万円(同)。1年単位での利用となり、生育診断機能を無料で利用可能。

なおいずれの場合でも、導入支援は別途有償対応となる。

同社は同システムについて、今後3年間で20団体への導入を目指す。