日本電気(NEC)は9月26日、日本航空(JAL)の空港業務効率化に向けて、羽田空港(東京国際空港)の屋内外においてIoTの有効性を検証する実証実験を、2019年7月~8月に実施したことを発表した。

今回、NECが実施したのは、IoTを実現する多種多様な通信手段(マルチコネクティビティ)のアセットからLoRaWANおよびBluetoothを活用してIoTの有効性を検証する実証実験。

IoTデバイス、サーバ、データを収集・見える化するアプリケーションなどをトータルで提供するNECの「スターター向け実証パック」を活用することで、3週間で実証実験を開始できたという。

実験では、運搬車にGPSデバイスを取り付けるとともに、LoRaゲートウェイを用いてLoRaWANのネットワークを構築。その結果、2セットのLoRaゲートウェイで羽田空港屋外のほぼ全てのエリアをカバーし、運搬車の位置をリアルタイムに把握できることを確認したという。これにより、機器の導入を最小限に抑えながら、広いエリアで通信が可能なLoRaWANの有効性を実証した。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

また、整備士を想定したJALとNECの担当者がBLEデバイスを装着し、BLEネットワークを構築したツールルーム、格納庫、事務所において実験した。その結果、航空機、作業用足場、壁などに電波が反射して干渉しやすい環境下でも位置を正確に検出することができ、動線把握が可能であることを確認したということだ。