NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は9月24日、機密データの安心安全な利活用に必要となるデータの匿名加工サービスの提供を、同日より開始したことを発表した。
同サービスは、「Smart Data Platform」におけるデータセキュリティ機能で、高信頼な設備・運用基準で提供する企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」上にユーザーの機密データを蓄積し、適切に匿名加工情報に加工できる機能を月額料金モデルで提供するもの。NTTテクノクロスが提供する「匿名加工情報作成ソフトウェア」を活用している。
ユーザーは「Enterprise Cloud」上に機密データを蓄積し、「Smart Data Platform」のインターコネクト機能を組み合わせることで、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformなどのパブリッククラウドとセキュアにデータ流通させることが可能。これによりユーザーは、パブリッククラウドの先進的な機械学習機能などを活用し、安全にデータ分析を行えるという。
匿名加工サービスには、NTT研究所独自のPk-匿名化を含む35種類の加工技法を実装。ユーザーは、データの利用目的に応じて最適な加工技法を選択できる上、プログラミングなどの専門処理を行うことなく簡単にデータを加工できるという。
加えて、加工後データの個人属性などが匿名化されたレベルを示す匿名性や、加工前データと比較した情報量損失レベルなどを示す有用性を相対的に評価し、可視化できることで、匿名加工状況を確認しながら柔軟に加工技法を選択することが可能となり、最適な匿名加工情報を生成できるということだ。
同社では、ユースケースとして、例えば医療業界においては、患者一人ひとりの臨床データを匿名加工し分析することで、安全なデータ利活用が可能となり、新薬の開発や新たな治療計画などに役立てることができるとしている。また、金融業界においては、クレジットカード会社で顧客の属性や購買履歴データを匿名加工し、加盟店に提供することで、マーケティングへの活用や新サービスの開発が可能になるとしている。