デルおよびEMCジャパンは9月18日、AMD 第2世代EPYCプロセッサ(開発コードネーム:Rome(ローマ))を搭載した「Dell EMC PowerEdge」サーバ5機種を発表した。
新たに発表されたのは、1Uの1ソケットサーバ「PowerEdge R6515」、2Uの1ソケットサーバ「PowerEdge R7515」、1Uの2ソケットサーバ「PowerEdge R6525」、2Uの2ソケットサーバ「PowerEdge R7525」、2Uの2ソケット4ノードサーバ「PowerEdge C6525」の5機種。
「PowerEdge R6515」、「PowerEdge R7515」は9月18日から、「PowerEdge R6525」、「PowerEdge C6525」は10月から、「PowerEdge R7525」は来年のはじめにそれぞれ提供が開始される予定。
価格は、「PowerEdge R6515」819,180円(税別)~、「PowerEdge R7515」が894,530円(税別)~。
Romeは7nmベースの最大64コア、128スレッドのCPUで、最大32コア搭載の前世代の「Naples」とソケット互換はあるが、DELL EMCでは今回はRome用に新たに設計したという。
日本AMD 代表取締役 林田裕氏はRomeについて「過去にない規模のコアがCPUに入っており、80種類の世界記録を作った。1つのCPUで競合2個分の性能を出している。32コアの場合の消費電力は180ワットだが、64コアでも225ワットとそれほど消費電力は変わらない。性能的にこれまでの2ソケットサーバを1ソケットサーバに置き換えられるため、ソケットライセンス場合ライセンス代も削減でき、TCOを目に見える形で下げることができる」と優位性を説明した。
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 シニアプロダクトマネージャ 岡野家和氏は、「Romeは前世代のNaplesとソケット互換があるため、既存サーバのCPUだけをアップグレードすることもできるが、デルは最新のイノベーションをフルに提供するためRome用に新たに設計した」と説明。続けて「CPUだけでなく、サーバの基本性能を強化した」と語った。
具体的には、オンボードのNICをOCP(Open Compute Project)形式に変更したほか、電源位置を変えることで、エアフローを改善した。さらに、前世代のAMD EPYCベースシステムよりも51%高いIOPS(Input/Output Per Second)を実現し、PCIe 4.0をサポートした。
そのほか、「Dell EMC OpenManage」を機能強化し、他社の管理ツールとの連携を強化した。
「OpenManage Integration for VMware vCenter」の最新リリースでは、大規模環境におけるVMwareクラスターのより効率的な管理を実現できるように、管理の拡張性が高められ、「vCenter HTML5」インタフェースのネイティブ サポートも提供。
Microsoft Windows Admin CenterからはPowerEdgeサーバのコントロールを行えるようにし、ServiceNowからPowerEdgeのヘルス情報を参照可能にした。また、Ansible Modules でOpenManageの情報を利用可能にした。
セキュリティの強化では、暗号化ドライブのキーを管理するKey Manegementサーバの情報をOpenManage Secure Enterprise key Managerによって参照することで、暗号化ドライブのキーの管理を一元化できるようにした。
岡野氏は新サーバの用途として、データアナリティクス、SDS、HPC、仮想化&VDI、NFVを挙げた。
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 執行役員 製品本部 本部長 上原宏氏は「これまでもHPC向けにサーバを提供しているが、シェアは数パーセントだ。今後は、新領域での大規模を導入を目指し、2桁のシェアを取っていきたい」と語った。