Formlabs(フォームラブズ)は9月13日、独自技術「Low Force Stereolithography(LFS)」を搭載することで、高精度造形を可能としたプロフェッショナル向け3Dプリンタ「Form 3」の日本市場に向けた本格展開を開始することを明らかにした。
LFSは、従来の光造形(SLA)方式とは異なり、モジュール式コンポーネント「Light Processing Unit(LPU)」により、正確かつ高密度のレーザースポットを維持し、正確で再現性のある造形を可能とするもので、サポートを薄くできるというメリットもある。
また、Form 2で用いていた各種材料を引き続き利用することが可能なほか、使用されているBuild Platform、Resin Cartridge、造形物の自動洗浄を行う「Form Wash」、二次硬化を行う「Form Cure」が共用可能なため、これまでの投資を無駄にすることなく、Form 3との併用による開発速度の向上を図ることも可能となっている。
Form 3はLPUを1基搭載したモデルで、造形エリアは145mm×145mm×185mm、積層ピッチはレジンによって異なるが25/50/100/160/300μmとなっている。また、派生機としてLPUを2基搭載することで、Form 3の5倍となる200mm×335mm×300mmの造形エリアを実現した「Form 3L」も同社では存在をアナウンスしているが、まだアジア太平洋地域での販売体制が整っていないとのことで、今回はForm 3のみの提供開始が決定されたという。
そのForm 3の価格は57万5000円(税別)で、2019年末までに購入者の手元に届けられるようにしたいと同社担当者は語っている。また、この販売開始に併せて、日本にも相当数居るForm 2のユーザーを対象とした割引キャンペーンの実施も決定。こちらは、Form 2所有者がForm 3を購入する際、Form 2のシリアルネーム(シリアル番号)を添えて発注すると、価格が51万8700円(税別)に割り引かれるというものとなっている。
このほか、同社では同社製品ならびに他社製品との連携の検証や、協業ならびに導入の促進を目的とした検証センターを2019年10月に埼玉県に開設する予定。あくまでショールームや実店舗というものではなく、販売代理店やパートナー企業のソリューションとの連携などを踏まえて、実際にそれが可能かどうかの検証を行うためのセンターとのことで、Formlabsの3Dプリンタなどを活用して、新たなビジネスの創出などを図りたい企業などからの相談を受け、その解決策を模索する場所という位置づけになると同社では説明している。