PacPort社は9月12日、スマートロックを利用した宅配ボックス「PacPort」を割引価格で先行予約販売を行うと発表した。
「PacPort」の大きさは幅400×奥行500×高さ600mmで、先行販売価格は20%引きの39,800円。クラウドファンディングのMakuakeを通じて販売する。目標額は100万円だが、目標額に達しなくても販売は行うという。予約注文期間は9/12~11/29で、12/1から商品が発送される。
PacPort社は、ファーウェイでUSBデータカードやPocket WiFiの開発を行っていた沈燁(シェン・イェ)氏が2018年の5月に設立した会社。
沈氏は「これまで携帯端末を作ってきて、ソリューションもやりたくなった」と会社設立の経緯を語った。
「PacPort」は、ECサイトなどで購入した場合などに、発送前にユーザーに送られてくる注文確認メールに記載された荷物の追跡番号を解錠鍵として利用することにより、誤配送を防いでいるのが特徴。基本的に事前に追跡番号を入手できる商品が対象となり、宅配業者が暗証番号を設定するのではなく、ユーザー自身が解除キーを設定するしくみでセキュリティを担保している。
専用アプリが注文確認メールの内容を解析して、自宅のアクセスポイント介してWi-Fiで「PacPort」にキーを設定(「PacPort」はWi-Fi機能を持つ)。宅配業者は、伝票の追跡番号のバーコードを「PacPort」のカメラで読み込ませて解錠し、荷物を預ける(「PacPort」はカメラ機能を持つ)。そして、ユーザーは専用アプリのQRコードをカメラにかざして解錠し、荷物を受け取るしくみだ。基本的に、ユーザーや宅配業者が追跡番号を直接入力することなく利用できるようになっている。
「PacPort」には、解錠用の追跡コードを3つまで登録できるため、別の業者が荷物を追加で預けることも可能だ。
なお、後から預けた業者が預けた荷物を盗らないよう、内部にもカメラがあり、荷物を撮影するようになっている。
また、専用アプリでは、すべての荷物について発送中、投函済、受取完了の各ステータスを一括管理できる。
注文確認メールから追跡番号を抽出できるEC事業者は現在43社、伝票読取に対応する宅配事業者は14社だという。
カメラやWi-Fiを利用するための電源は単3電池6本で、6-8カ月程度利用可能だという。なお、電池切れの場合は、一般的なハードウェアの鍵を使って解錠する。
また、宅配業者への受取の押印は、デジタル投函証明を発行することで対応する。
さらに、「PacPort」を複数設置して集合住宅で利用することも想定しており、専用アプリも用意される(ただし、集合住宅向けは各「PacPort」に預けられるのは1回のみで追加は不可)。ただ、すでに宅配ボックスを設置しているマンションも多いので、不足用の追加導入を期待しているという。
今後について沈氏は「われわれは宅配ボックスメーカーではなく、スマートロックメーカーだ」と語り、さまざまなパートナーと組んでスマートロックソリューションを提供していく意向を示した。