レゴ エデュケーションは10日、国内の学校教育関係者を対象に、今後小中高校で必修・高度化されるプログラミング教育に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
この調査は、8月7日(東京)と9日(大阪)に開催されたプログラミング教育をテーマとするイベント「レゴ エデュケーション カンファレンス 2019」へ出席した小学校から大学までの教員、および教育委員会の職員を対象に実施されたもの。400名を超える出席者のうち半数以上の286名から回答を得たという。
その結果、プログラミング教育の導入について、全体の42%が「既にプログラミング教育に取り組んでいる」と回答し、「導入準備に取り掛かっている」(37%)との回答と合わせると約8割が、導入中または導入準備中であることが分かったという。また、プログラミング教育についての生徒の反応については「楽しみにしている」、「興味を示している」という前向きな回答が全体の89%であったということだ。
プログラミング教育で力を入れたい点のトップ3は、「楽しく取り組めること」、「論理的な思考や客観的な思考を養うこと」、「試行錯誤と成功体験を味わわせること」で、「実用的なプログラミングの能力を育てること」という回答は18%にどとまった。そして、授業を通して生徒に身に付けてほしい事(期待する変化)としては、「論理的な考え方」、「積極的に物事に取り組む姿勢」、「失敗を恐れずにチャレンジすること」 が上位3項目となったという。
これらの目的を達成するために最も必要なものとしては、1位が「十分な学習教材」(33%)で、2位「体験型の授業」(30%)、3位「十分な授業時間」(14%)と続いた。困っていることのトップ3項目は「予算」(62%)、「IT 環境」(56%)、「授業時間」(54%)の不足との回答であったほか、「情報」(34%)と「教員数」(30%)が不足しているとの回答も3割に上ったという。これらのことから同社は、教育現場における理想と実践には、一定程度のギャップがあると推測している。
なお、以上の結果は米国の調査機関であるハリス・ポールが4月に発表した学習自信度の調査結果と類似しており、同社は「現場の教員が抱える問題はグローバルで共通のものであることが見て取れる」としている。