先だって2019年上半期の世界における半導体企業ランキングを公表したIHS Markit。今回、同社への独自取材により、2019年上半期ならびに第2四半期における日本に本拠を構える主要半導体企業のランキングが判明した。
ちなみに同社の調査では、該当期間で世界の半導体売上高トップ10には1社も日本に本拠を構える半導体企業はランクインしていない。
2019年上半期において日本企業のトップとなったのは、東芝が日米韓コンソーシアムに売却した東芝メモリで、、その売上高規模は前年同期比26.0%減の4195億ドル。2位には同21.1%増と売り上げを伸ばしたソニーセミコンダクタソリューションズ、そして3位が同6.3%減となったルネサス エレクトロニクスとなっている。
2018年の上半期および第2四半期、ルネサスは日本企業として2位に位置づけていたが、2018年第3四半期以降、なかなか業績が伸びず、CMOSイメージセンサの出荷数の増加などを背景に業績好調なソニーが2位に躍進。順位が入れ替わった状態が続いている。またソニーと東芝メモリの2019年第2四半期の売上高の差は僅か5600万ドルと、差が非常に縮まっており、半導体メモリ不況が今後も長引き、東芝メモリの業績が好転しないような状態に陥れば、2019年第3四半期以降の近い時期にもトップが入れ替わる可能性もでてきた。
ちなみに2018年第1四半期は、4位に東芝(メモリ以外の半導体事業)、5位にロームが位置づけていたが、2018年第2四半期以降、こちらも順位を逆転させており、2019年第2四半期にいたっては、5位の東芝と6位に日亜化学工業の差が2800万ドルと、こちらも相当に詰まってきており、逆転する可能性が出てきた。
なお、IHS Markikt日本支社の半導体アナリストである前納秀樹氏は、2019年第2四半期/上半期における日本半導体企業ランキングについて、「日本企業に限った売上高ランキングを見れば、2018年以降、東芝メモリが1位を維持してきたが、スマートフォン(スマホ)市場が飽和し、中国系メーカーを中心にメモリ容量を減らした中級機にシフトしたこと、NANDの低価格化・在庫問題などが要因となり、業績は下がっている。一方、同じくスマホ市場を最大の出荷先とするソニーは、カメラ搭載数の増加や高精細化などを背景に業績を伸ばしており、東芝メモリに肉薄する状況となってきた」と説明するほか、2019年上半期は10社中7社が前年同期比でマイナス成長となり、売り上げ規模も同8.1%減となっていることから、世界的な半導体不況の影響が見られると指摘している。