NECは9月5日、ジャパンラグビー トップリーグのリコーブラックラムズと選手の日々の身体コンディションを把握・管理してケガを未然に防止するために、アスレティックトレーナー(AT)の業務支援ツールとして同社の「フィジカルチェックシステム」を活用する実証実験を8月から開始したと発表した。

  • 計測イメージ

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近年、スポーツをする上でケガや故障を未然に防ぐという考え方が主流になっており、重症化を防いでスポーツを長く楽しむためには、定期的に身体の状態を評価・分析し、ケガのリスクを最小化することが重要となる。このような考え方のもと、これまでスポーツ選手のコンディション管理やケガ対策は専属のATを中心に行われてきたが、各個人の全身の身体状態チェックを行うには多大な時間やATの配置などが必要となり、対応に限界があったという。また、ATの判断も個人差があり、ノウハウの数値化や均一化に課題があると指摘している。

今回、ブラックラムズに所属する選手の体調管理について、クラブハウスに設置したKinectなどを活用したフィジカルチェックシステムで選手の映像分析を行い、日々の身体コンディションチェックを行う。選手自身が約3分程度で計測を行うことを可能とし、結果は選手のスマートフォンなどに表示。

監督、コーチ、担当ATなどのチームスタッフは選手の計測・評価データを閲覧でき、選手のコンディションや改善が必要な箇所の把握・処置の強化などを行う。同社では証を通して筋力、関節可動域データと身体のコンディション不良に関するデータを蓄積するとともに、痛みやケガの発生との相関関係における分析を行い、2019年度内の実用化を目指す。

実証期間は8月~12月、対象はリコーブラックラムズ選手計51人、計測内容は肩関節、体幹、足関節など9項目となる。これにより、各選手の日々の身体コンディション管理やATの業務支援だけでなく、試合の前後など時と場合に応じて詳細に身体コンディションを把握し、改善を支援する。

なお、同システムはVリーグのNECレッドロケッツにおいても実証し、関節可動域と選手の感じる痛みとの相関や、選手の状態に応じて最適なトレーニング方法を選択するなどの効果があるという。