アジレント・テクノロジーは、9月4日から6日にかけて幕張メッセにて開催されている分析機器・科学機器専門展示会「JASIS 2019」にて、「スマートコネクテッド」をテーマに、分析ラボの働き方改革を支援するスマートコネクテッドGCの第2弾製品「Agilent 8890 GC システム」ならびに「Agilent 8860 GCシステム」などの実機展示などを行っている。

Agilent 8890/8860はAgilent Intuvo 9000 GCシステムで採用されたリモートアクセス機能を搭載することで、分析ラボから離れた場所でもスマートフォンやタブレットのWebブラウザを介して分析結果や装置からのアラートを確認することが可能であり、常に分析中はラボにいないといけない、といった作業者の負担を軽減することを可能としている。また、高騰するHeガスの代替としてのH2ガスやN2の活用提案や、Heを使用する必要がある場合でも消費量を削減できるソリューション提案なども行わている。

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    Agilent 8890 GC システム

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    Agilent 8860 GCシステム

LC、LC/MSコーナーでは、ESG(Environment/Social/Governance)対応を可能とする「Agilent InfinityLab LC/MSD iQ」の紹介も行われている。LC/MSD iQは、100V電源で使えるLCサイズのシングル四重極LC/MSで、LCしか使ったことがない人であっても、使いこなせるLC/MSとして開発されたもので、MS部分の測定条件を自動的に判断、設定してくれる機能などが搭載されている。

また、同社の提供するフレックスベンチに搭載することで、別のラボでLC/MSを利用する必要が生じた場合でも、容易に移動させて、活用することができるようにもなっているという特長もある。

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    画像一番右がAgilent InfinityLab LC/MSD iQ。左はフレックスベンチにLC/MSD iQなどの機器を搭載した様子

マイクロプラスチックを手軽に分析する装置

このほか、同社ブースでは、この数年、社会問題として世界規模で話題になっているマイクロプラスチックの容易な分析を可能とする「Agilent 8700 LDIRケミカルイメージングシステム」の紹介なども行われている。

同装置はケミカルイメージングシステムというだけあり、薬の錠剤に含まれる成分の分布などでも活用されているが、それよりも手軽にマイクロプラスチックの粒子を登録されたライブラリ情報と比較して、ポリマーの識別までできることから、そちらの方面での引き合いが高まっているという。

さらにちょっと毛色の異なる装置として、さまざまな現場でのオンサイト分析を可能とする「MP-AES 分光分析装置」の紹介も行われていた。海外事例となるが、ブースで紹介されていた活用例は河川のオンライン分析といったもので、堅牢かつ高い信頼性を背景に、国内におけるさまざまな現場での活用を図っていきたいとしていた。

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    MP-AESの最新世代となるAgilent 4210 MP-AES