スーパーストリームは9月3日、都内で記者会見を開き、人事給与分野に特化した経営基盤ソリューションであるSuperStream-NX 人事給与ソリューションの最新版「SuperStream-NX Ver.2.20人事給与ソリューション」を10月1日に販売開始すると発表した。また、会見には3月に同社の代表取締役社長に就任した角田聡志氏が出席し、経営方針を説明した。
最新版はUXを全面刷新し、操作性を追求するとともに、人事部門のニーズに応える機能を新しく取り入れることで、日々発生する業務の負担軽減と労働生産性向上の実現を支援するとしている。従来はクライアントサーバ型のアプリケーションだったが、リッチインターネットアプリケーションやクラウドなどに対応するため、基盤を刷新している。
スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長の山田誠氏は「これまで約2000社の人事部の方と話したが、日本の人事部が求めていることは基本的には労働生産性を向上した上で、知的生産性の向上を図りたいと考えている。これは、業務効率化による省力化で生み出される時間を、タレントマネジメントやOKR(Objectives and Key Results)、グループ全体の連結人事基盤、HRTechなどを駆使し、知的生産性の向上を図るというものだ」と説明する。
そのため、最新版は「タレントマネジメント」「連結人事」「セルフサービス」「労働生産性の向上」の4つをコンセプトとしている。
タレントマネジメントは企業戦略に沿った柔軟な人材管理システムを構築し、従業員の「あるべき姿(To Be)」と「今の姿(As Is)」の2つのスキル情報を蓄積することで、企業の人事戦略をベースにしたタレントマネジメントを実現。これにより、将来のキャリアパスにおける目標が明確となり、効率的なスキルアップができる。
例えば、人事部においては蓄積されたスキル情報に基づいて一連の人事業務(採用、異動、研修、評価など)を戦略的に行うことで、従業員個々のパフォーマンスを最大化させ、企業全体の競争力を向上させることを可能としている。特に、HRの代表的な画面である「社員情報管理」、従業員の成長を可視化する「タイムライン」、従業員同士の比較を行う「タレントボックス」は特徴的な機能だという。
連結人事については、グループの人事情報を統合することで、個社のみならずグループ全体から最適な人財を検索し、配置することができるほか、複数会社を管理する際の機能としてウィンドウのベースカラーを「会社/ ユーザ」単位で変更することでオペレーションミスを防止する機能や、シェアードサービス業務に便利な「会社切替機能」「グループ一括給与計算」などを実装。
セルフサービスに関しては、HRTechを活用したセルフサービスを提供し、諸届申請・更新や照会(給与・人事情報)、ワークフロー承認が可能なほか、社員・ライン長への人事情報の公開に加え、給与/賞与明細や源泉徴収の出力、年末調整の諸届なども自ら行える。
労働生産性の向上では、柔軟なレポート・文書作成機能を備え、山田氏は「世界レベルの操作性を持つものだと自負している。まるでExcelのようで圧倒的に使いやすい」と強調する。
「Excel Report」「Pivot Report(集計機能)」「Word差込印刷」をはじめとしたレポート作成機能を用意し、ニーズに即応したレポート作成が可能なほか、作成したレポートはExcel・PDFに出力を可能としている。
Excel Reportは、ユーザが任意に一覧の表示レイアウトを指定することができることに加え、Pivot Reportは年齢別/部門別の統計資料作成などユーザが任意かつ自由なレイアウトで集計を可能としている。また、集計結果から個人情報へのドリルダウンにも対応。
Word差込印刷は、ユーザ自身がWordで設計した差込文書にSuperStream-NX人事給与のデータを出力することで、ユーザ独自の人事辞令、人事通達や雇用契約書などを作成することができるという。
なお、昨年に会計向けソリューションとして提供開始したRPA(Robotic Process Automation)「SuperStream-NX オフィスロボット」にも対応し、すでに仕訳入力や経費精算入力月次帳票をはじめとした会計関連のスキルを提供。
今後、12月に内定社情報取込や勤怠データロジカルチェック、変動支給控除データ作成、給与計算月次仮計算、汎用社員検索をはじめとした人事・給与関連のスキルのリリースを予定している。
価格(管理人数300人の場合のライセンス)は、オンプレミス版で人事管理モジュール、給与管理モジュールが各200万円~、人事諸届・照会が180万円~。
2021年末までに累計導入社数を1万社
SuperStreamは、1995年の発売開始以来、国内の中堅企業や準大手企業を中心に累計導入社数は9113社(2019年3月時点)、うち上場企業は788社に達している。
また、80社を超えるソリューション/テクニカルパートナーを抱え、競争が激しい国内ERP市場において中堅市場でシェアNo.1を目指している。
角田氏は最新版について「企業におけるERPは販売や物流、生産管理などフロントの業務だが、われわれは人事・給与と会計のバックオフィス業務に注力している。蓄積された人財情報の活用した分析やレポート作成脳を搭載し、業務の負荷軽減と労働生産性の向上を支援していく」と力を込めた。
そして、同氏は「われわれのミッションは日本の会計・人事を変えることだ。20201年末までに累計導入社数1万社の突破を目指しており、実現は近い」と述べていた。