群馬県安中市と東日本電信電話(NTT東日本)群馬支店は9月3日、同市の業務においてAI-OCR及びRPA(Robotic Process Automation)を活用した、働き方改革・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目的とした実証実験を実施すると発表した。対象業務は両者協議の上で別途決定し、実施期間は2019年内を予定している。

安中市の業務では、市民向けの窓口業務における書類処理や、複数にまたがるシステム間でのデータの転記などで、市職員による手作業が数多く発生しているという。

これまでも業務のシステム化により省力化を推進してきたが、紙帳票を使用する業務やシステム化に向かないPCを利用する定型業務も多く存在しており、長時間労働発生の要因の1つになっているという。

今回の実証実験では、NTT東日本がAI-OCR及びRPAのライセンス提供及び運用支援を行い、安中市と共同で効果検証を実施する。

  • 実証実験のイメージ

行政実務におけるAI-OCR及びRPAの有効性について検証を行い、安中市の業務効率化及び働き方改革を推進するとしている。

また、単なる業務削減ではなく、定型作業の負荷軽減・効率化を行うことにより、職員の時間を市民からの相談や窓口業務などに従来以上に振り向けることで、市民サービスの向上を目指す。

具体的には、両者がAI-OCR及びRPAに適した業務(定型反復業務)を抽出し、その業務にAI-OCR及びRPAを適用することで、業務処理の自動化及び効果検証を行う。

RPA単体では、紙による手書き帳票は電子データ化していないため処理の自動化が困難だったが、AI-OCRを組み合わせて利用することで、高精度な文字認識による電子データ化が可能となり、紙帳票の読取り・データ化からシステムへの入力等の一連の業務を自動化可能になるとしている。

今後、安中市では今回の実証実験により得たデータと知見を踏まえて、同市の業務におけるAI-OCR及びRPAの本格導入について検討していく。