キヤノンは8月27日、ユニバーサルロボット(UR)の協働ロボット専用画像処理ソフトウェア「Vision Edition-U」を開発。URの協働ロボットとプラグ&プレイで利用可能な「Univaersal Robot+(UR+)製品」として日本で初めて認証を受けたことを発表した。
Vision Edition-Uは、キヤノンが展開するネットワークカメラ技術を産業用イメージングプラットフォームとして活用できるようにした「Vision Edition」のUR対応版という位置づけ。従来のVision Editionでは、ネットワークカメラを活用してバーコード認識や各種メーターの読み取り、物体の有無確認などが行われてきたが、Vision Edition-Uでは、URの協働ロボットと連携することで、1台のカメラが複数の画像判定に用いられ、その処理結果を受けてロボットが必要な行動を行う、といった連携を、しかも広範囲に行うことができるようになる。
キヤノン イメージングソリューション事業本部 副事業本部長の枝窪弘雄氏は、「ロボットアームの先端などにつけられたカメラが虫の眼で、小さな物事の状況を把握するためのものであれば、天井などに設置されるネットワークカメラは鳥の眼。広い視野から物事を見ることで、どのような場面でも認識できるというのは大きな価値を生み出せると思っている」と、Vision Edition-Uの価値を説明する。
一方のUR+は、誰ともオープンに協働するというURの価値に基づいて、革新的で協働的なデベロッパーのために開発、検証から認証を援助し、販売の環境を広範囲に提供し、個々の用途に対応する先進的な製品を代理店、システムインテグレーター、エンドユーザーに提供することで自動化の障壁を下げることを目指して2016年に開始されたプログラム。全世界で、現在、認定製品は190製品以上、認定された製品を開発するパートナー企業100社以上、それ以外にも400社以上が現在開発を進めている段階にあり、日本でもキヤノンが他社に先んじて今回認証を取得した。
今回の認定を踏まえた具体的なソリューション構成としては、ネットワークカメラとURの協働ロボット、Vision Edition-UのシステムなどはPoEでハブを介して接続される。キヤノンのネットワークカメラはパンチルトズーム機能を有しており、複数の用途に対応できるが、実際のものづくりの現場に設置するとなると、配線のとりまわしなども必要となるので、URのパートナーであるシステムビルダーなどが施工を担うことになるという。
実際の動作プログラムは、URの協働ロボットの特徴であるTeach Pendant上でロボットの動き、カメラの動きともに構築することが可能。ただし、それぞれのネットワークカメラと協働ロボットが実際に通信をするためにはキヤノンのWebサイトから入手できるソフトウェア「URCap」をダウンロードし、Teach Pendantにインストールする必要がある。
なお、Vision Edition-Uは2019年10月上旬より提供が開始される予定で、当初はユニバーサルロボットのWebサイト上に設置されている「Universal Robot+ショールーム」から購入するというスタイルになるという。