芝浦工業大学は8月26日、同大・工学部情報工学科の菅谷みどり教授が、生体信号(脳波、心拍)の簡易計測値により、人の感情を推定する手法を考案したことを発表した。

  • 生体情報を用いた感情推定を、人の気持ちを思いやり、よりそえるロボットの研究開発へ展開

    生体情報を用いた感情推定を、人の気持ちを思いやり、よりそえるロボットの研究開発へ展開

同教授が考案したのは、心理学モデルをもとに脳波、心拍（自律神経計測）などの計測可能な生体信号のセンサー値を対応させ、感情のもとになる短期的な状態変化である情動をリアルタイムに推定する方法だ。

覚醒・眠気と快・不快の2軸上に感情分類を行う心理モデルにもとづき、脳波、脈拍・心拍などの生体計測により感情を推定するもので、生体計測値を用いることで、リアルタイムに人の状態である感情を推定することが可能になるという。

従来も心理生理学測定分野では脳波・心拍のからさまざまな感情推定が行われてきたが、センサー値をリアルタイムにおこない制御を反映した声がけロボットなどの具体的な開発に結びつくところまでは十分に行われていなかったが、このロボットは人の気持ちをリアルタイムで推定し、それに応じた適切なフレーズを選択して声がけを行うという。

また、ロボットが速度や移動方法を変えた時にどのように印象が変化するかについて、人とロボットのパーソナルスペース評価することで、ロボットが人の気持ちを察することができるようになるということだ。

この推定をもとに、気持ちに応じた声がけを行う声がけロボットやパーソナルスペースを考慮したロボット、介護支援ロボットへの応用を目指すという。この他にも、ストレス軽減のための機器・製品開発など幅広い応用が期待できるとしている。