セイコーエプソンは8月26日、富士見事業所(長野県富士見町)に「インクジェット イノベーションラボ富士見」を開設し、10月から本格稼動を開始すると発表した。新たな施設では、インクジェット技術の工業応用を促進するため、幅広く研究機関や企業と連携して研究を行う。インクジェット技術が応用できる新たなアプリケーションやニーズを開拓して、インクジェット印刷の新市場を創出し、エプソンのインクジェットプリントヘッドの産業利用を加速させていくという。

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同社は、長期ビジョン「Epson 25」の第2期中期経営計画において、基本方針の1つとして「資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速」を掲げており、特にインクジェットイノベーションにおいては、PrecisionCoreを中心としたコアデバイスを用いたインクジェットプリントヘッドの外販ビジネスとオープンイノベーションの強化を目指している。

新施設の開設は具体的な施策の1つとなり、エプソンのインクジェットヘッドを搭載したIJ描画装置やIJ吐出評価機をはじめ、電子デバイスの試作および評価を行うことができる一連の設備を備えている。利用者は、さまざまな用途へのインクジェット技術応用の可能性を同社のノウハウも活用しながら探索することができるという。

今後、タッチセンサやOLEDなどの各種デバイスにおいて、プリンティングによる生産方法は拡大すると期待されており、同社は新施設を拠点として、インクジェット技術を用いた生産プロセスの革新や、インクジェットに適合した新素材の開発などに取り組む研究機関や企業とともに、インクジェット技術の応用範囲を拡大していく。また、活動を通じて得た知見を蓄積し、特に産業用途向けのインクジェットプリントヘッドを一層進化させていく考えだ。