富士通と米Qualcomm Technologiesは8月22日、富士通の商用5G基地局とQualcomm製の5G対応チップセットを搭載した試験用スマートフォンデバイス間で、5G通信帯域であるサブ6GHz帯(3GPPで定義された450MHzから6GHzの周波数を持つ電波信号の帯域)およびミリ波帯(3GPPで定義された30GHzから300GHzの周波数を持つ電波信号の帯域)における、接続検証およびデータ疎通試験を完了したと発表した。試験の成功は、日本国内における5G向けのネットワークインフラとモバイルデバイス間におけるエコシステム構築に向けた重要なマイルストーンになるという。

試験は、NTTドコモの5G商用サービス開始に先駆け、ネットワークベンダー相互接続試験(NV-IOT)として、日本国内の富士通の敷地内において7月中旬に実施。

NV-IOTは、3GPP(移動通信システムの仕様の検討・策定を行う標準化プロジェクト)標準化仕様のリリース15(3GPPで規定する仕様書の改訂バージョン。5Gの全機能は本バージョンで初めて規定された)に準拠した、富士通の5G基地局とQualcomm製の5G対応チップセット「Qualcomm Snapdragon X50」およびアンテナ機器を搭載した試験用デバイスを使用し、総務省が定めた日本国内における5G通信帯域であるサブ6GHz帯に対応する3.7GHz帯(3.6GHzから4.1GHzまでの周波数帯域を指す)およびミリ波帯に対応する28GHz帯(27.0GHzから29.5GHzまでの周波数帯域を指す)において、ノンスタンドアローン(NSA、5G無線方式の1つで現行のLTE設備との連携において5G通信を実現するもの)構成での5G New Radio(5G NR、5Gの要求条件を満たすために、3GPPで新たに規定される無線方式)データの疎通を行うものとなる。

今後、両社は5G商用サービスの提供を目指す企業とのパートナーシップを強化し、積極的なオープン化への取り組みや、大容量映像のリアルタイム伝送など、5Gを活用したデジタル技術による共創をグローバルに推進していくという。