大日本印刷(DNP)は8月20日、監視カメラの映像に映った注意するべき人物や物体に対し、存在を画面上に表示することで、危険な状況の見逃し防止につなげる機械式立体駐車場向けシステムを開発したと発表した。独自の画像処理解析技術やセキュリティ技術とカメラを組み合わせた「DNPセキュア監視サービス」の1つとして、12月に提供開始を予定している。

新システムは、映り込んだ人物が長時間動かない、見えにくい位置や色の服装をした人物がいる、人物が車両内に残っている、置き去りになった荷物があるといった状況を画像処理解析技術で検出し、画面上にアラート(警告)などを表示するシステム。第1弾として、森ビルの虎ノ門ヒルズビジネスタワーの機械式立体駐車場への導入を予定。以下はシステムの動画。

新システムは、機械式立体駐車場で安全確認を視覚的に補助するため、監視カメラの映像に映り込んだ注意すべき人物や物体をリアルタイムで表示するソフトウェアとなり、カメラ・検出用PC・確認用モニターなどの機材とセットで提供する。

映像の画像処理により、人物や物体の動きや静止状態、物体などの置き忘れ、持ち去りなどを高精度に検出し、注目すべきカ所を表示する。主な特徴として「注意すべき対象を高精度に検出・表示」「導入環境に合わせてカスタマイズが可能」「リアルタイム検出」「カメラなどの機材を選ばない」の4点を挙げている。

対象を高精度に検出・表示する点については、注意すべき人物や物体の動きを捉え、同社独自のアルゴリズムで照明の変化、影や映り込みなどの要素の影響を低減して追跡表示し、動きが止まった物についても認識できる機能を実装しており、対象の移動・停止に関わらず継続して追跡するという。

  • 対象を高精度に検出・表示するという

    対象を高精度に検出・表示するという

カスタマイズに関しては、環境に応じて、きめ細かくパラメータを設定できるため、確認したい場所の最適な解析結果を表示することを可能としている。

リアルタイム検出では安全確認機能に特化するため、軽量な画像処理のみで遅延の少ないリアルタイム検出を実現すうるほか、機材を選ばない点については撮影している映像を解析するため、カメラ本体や撮影した映像を保存・管理するソフトウェア(VMS : Video Management Software/System)の制限を受けないという。

今後、同社では機械式駐車場メーカーや不動産デベロッパー、商業施設などに販売し、各社の製品・サービスへの組み込みを促することで、DNPセキュア監視サービス全体として2021年度までの3年間で18億円の売り上げを目指す。