米国半導体工業会(SIA)は、2019年6月の世界における半導体売上高は前月比0.9減、前年同月比16.8%減の327億ドルと、事前予測ではプラス成長に転じることも期待されていたものの、3か月連続での足踏み状態となった。
この結果、2019年第2四半期(4~6月期)の半導体売上高は前四半期比では0.3%増とわずかながらプラス成長となったものの、前年同期比では16.8%減の982億ドルに留まった。また、2019年上半期(1~6月期)では、前年同期比14.5%減となっている。ちなみに世界半導体貿易統計(WSTS)による2019年の半導体市場は、前年比12.1%減という予測である(これらSIAが発表した月次の売上高は、WSTSによって集計された月次売上高をもとに計算した3か月移動平均値)。
6月の市場を地域別でみると、日本が例外的に前月比で2.6%増となったものの、北米が同0.7%減、アジア・太平洋/その他が同0.7%減、中国が同1.5%減、欧州が同2.6%減といずれもわずかだがマイナス成長となった。また、前年同月比で見た場合、日本が同12.8%減、北米が同29.5%減、アジア・太平洋/その他が同13.7%減、中国が同13.9%減、欧州が同2.6%減と、すべての地域でマイナス成長となった。
SIAのプレジデント兼CEOであるJohn Neuffer氏は、「2019年半ばに至っても半導体市場の成長率は下落し続けたままである。結果、2019年上半期は、前年同期比で15%近く下落してしまった。6月単月の半導体売上高は前年同月比で、すべての主要な地域、すべての製品カテゴリにてマイナス成長となった。ただし、特筆すべき点は、第2四半期として見た場合の売り上げが前四半期をわずかに上回ったことである」とコメントしている。
米中貿易摩擦がますます激化しているうえに、韓国国内経済が悪化に加え、日本政府による半導体材料の韓国に対する輸出管理の強化やホワイト国除外などによって韓国半導体メーカーへの影響が懸念されており、半導体業界の低迷がさらに続行し、回復が遅れる可能性がある。2918年末には2019年の半導体市場がプラス成長になると予測していた半導体市場の動向を調査している調査会社およびWSTSは、現時点ではいずれもが10%前後のマイナス成長を予測する状況となっている。