電通国際情報サービス(ISID)は8月8日、子どもの運動能力をセンサで自動測定した上で、個人の長所に応じて、どのスポーツに向いているかをAIが提案するシステム「DigSports(ディグスポーツ)」を製品化し、全国の自治体やスポーツ施設、イベント事業者等を対象に販売を開始した。
DigSportsは、利用者の動きを3次元で検知するセンサ、大型モニター、独自の測定・分析プログラムで構成されており、主な特徴として「限られたスペースで手軽に利用可能」「個人の長所をAIが分析し、どのスポーツに向いているかを提案」「楽しみながらスポーツに目覚めるきっかけを創出」の3点を挙げている。
手軽に利用可能な点について、約5×5mの広さがあれば、文部科学省の新体力テストのテスト項目のうち4項目(反復横跳び、50メートル走、ボール投げ、立ち幅跳び)に、垂直跳び、持久走を加えた計6項目の測定を行うことができる。独自のアルゴリズムに基づきモニター前での動きから記録を推定するため、大掛かりな設備や多数の記録員を必要とせず、屋内の限られたスペースに常設したり、イベントの出展ブース内で計測したりするなど、手軽に利用することを可能としている。
提案に関しては、身体計測や体力測定の結果をもとに個人の長所をAIが分析し、オリンピック種目を含む74種類の競技の中から、どれに向いているかを提案する。
アスリート指導の専門家であり、元全日本フリースタイルスキーチームフィジカルコーチの経歴を持つ遠山健太氏が考案したスポーツ適性診断メソッドを応用したアルゴリズムを実装することにより、個々の体格や体力に応じて、適性が高いスポーツ種目を推定することが可能。また、好きなスポーツが上達するためには、どのような運動をすればよいかというアドバイスも得ることができるという。
スポーツに目覚めるきっかけの創出については、目の前の大型モニターに計測中の自分の動きと骨格の推定画像が重なり合って見えたり、計測記録がリアルタイムで表示されたりするなど、誰でも楽しくチャレンジできるインタフェースを備えている。競争したり順位を決めたりするのではなく、個人にあったスポーツを見つけることがゴールのため、運動が苦手な子でも楽しみながらスポーツに目覚めるきっかけをつくることを可能としている。
今後、全国の自治体や公共・民間スポーツ施設、各種イベント事業者等を対象にDigSportsを販売し、2021年度までに累計50施設への常設導入を目指す。
価格は税別で常設利用(6カ月利用、別途指定のスペックを備えたPC等周辺機器の購入と利用者の受付登録時に、ンターネット環境が必要)が月額5万円、システム研修費用(導入時1回)が10万円~、単発利用(技術者を派遣する場合には別途サポート費用・諸経費などが必要)が1日の利用料が30万円/1セット~。