クボタは、道路下に設置されているマンホールポンプを遠隔で監視できるシステムに、新たにAIでのデータ分析や異常検知が可能となる「マンホールポンプAIサポートシステム」を導入、10月から自治体向けに提供を開始する。
マンホール下で家庭から出る生活汚水などを下水処理場へと送る役割を担うマンホールポンプは、多いところでは自治体あたりで500カ所にもおよぶ。クボタは、ポンプ本体から制御盤、閉域網からデータセンターを経由した遠隔監視までを網羅するマンホールポンプシステムを提供しているが、今回ここに「AI」を導入することを発表した。
1893年には早くも水道用の鋳鉄管(ちゅうてつかん)の製造を開始している同社、現在では土木工事軽減のための特殊な薄型設計による回槽、スカム(scum/汚泥など)回収のための旋回の工夫。時間帯別運転水位設定機能やスカム発生防止などポンプを高度に制御する運転モードを搭載する制御基盤、そして水位確認やメール警報、分ごとの静止画確認も可能なクラウドKSIS(KUBOTA Smart Infrastructure System)との連携とデジタル&アナログ技術の融合を図り、インフラを支えている。
新たに導入されるAIは、水位と電流値のデータを監視し、従来人がマンホールポンプごとに確認しなければならなかった運転データ分析による異常運転検知、ポンプ場ごとの通常運転範囲の自動設定と数百にのぼるマンホールポンプ業務の効率化に大きく寄与する。なお、AI導入自体のための特別な機器導入の必要はない(通報装置「MU-1000」シリーズの設置は必要となる)。