米IBMは8月1日(現地時間)、ソフトウェアのポートフォリオをクラウドネイティブに刷新し、Red Hat OpenShift上で動作するよう、最適化したと発表した。これにより、ミッションクリティカルなアプリケーションを1一度構築すれば、すべての主要なパブリッククラウド(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Alibaba、IBM Cloudなど)とプライベートクラウド上でアプリケーションを実行できるという。
新しいクラウドネイティブ機能は、IBM Cloud Pakと呼ばれる統合済みのコンテナ化したソフトウェアとして提供。共通のオペレーティングモデルと、共通のサービス(ID管理、セキュリティー、モニタリング、ロギングなど)を提供し、統合された直観的でわかりやすいダッシュボードを使用して、クラウド全体の可視性と管理を向上させるとしている。
現在、IBM Cloud Pakは「Cloud Pak for Data」「Cloud Pak for Applications」「Cloud Pak for Integration」「Cloud Pak for Automation」「Cloud Pak for Multicloud Management」の5種類。
Cloud Pak for Dataは企業・組織がデータから得た洞察の提供を簡素化および自動化し、オープンで拡張可能なアーキテクチャを提供するほか、Cloud Pak for Applicationsはビジネスのモダナイズ、構築、実装、および実行に役立つという。
Cloud Pak for Integrationはアプリケーション、データ、クラウドサービス、APIの統合を支援することに加え、Cloud Pak for Automationはビジネス・プロセス、意思決定、コンテンツの変革を支援し、Cloud Pak for Multicloud Managementはマルチクラウドの可視性を提供するとしている。
また、同日には「Red Hat OpenShift on IBM Cloud」「Red Hat OpenShift on IBM Z and LinuxONE」「Consulting and technology services for Red Hat」も発表している。
Red Hat OpenShift on IBM Cloudは、IBMのパブリッククラウドでのOpenShiftの柔軟なフルマネージドサービスを提供。自動化された回復力、データコンプライアンス、およびセキュリティをワンクリックで展開し、新たな機能や手法を取り入れて企業のアプリケーションをモダナイズすることで、ハイブリッドクラウドインフラストラクチャへの移行を支援するという。
Red Hat OpenShift on IBM Z and LinuxONEは、グローバルでで1日300億件以上のトランザクションを処理しているIBM Z、LinuxONEにRed Hat OpenShiftを提供し、すでにIBM Power SystemsおよびストレージはOpenShiftをサポートしている。
Consulting and technology services for Red Hatは、Red Hat認定コンサルタントチームにより、新しいIBMサ―ビスを提供し、8万人以上のクラウドアプリケーションサービスの専門家がユーザーのワークロードをクラウド環境に対応していくため、戦略立案、移行、構築、管理を支援するという。
発表されたソフトウェアとサービスは、Red Hat OpenShift上で実装するために最適化されたIBMの広範なソフトウェアポートフォリオのうち、100以上の製品が対象となっており、IBMのハイブリッドマルチクラウドプラットフォームで提供される。
エンタープライズKubernetesプラットフォームであるRed Hat OpenShiftや、エンタープライズLinuxプラットフォームであるRed Hat Enterprise Linuxなど、オープンソーステクノロジーに基づいて構築されており、ビジネスを展開する上で重要なアプリケーション、データ、ワークロードの要件に対応するため、最適なアーキテクチャとアプローチを選択できるという。