アヴネットは7月25日、Linaro 96Boards Consumer Edition(CE)仕様をベースに、XilinxのZynq UltraScale+ MPSoC「ZU3EG A484」を搭載した開発ボード「Ultra96-V2」の販売を開始したと発表した。
V2では、新たにMicrochip Technologyの世界75か国以上で機関認定を取得済みのWi-Fi/Bluetooth無線モジュールを採用したほか、工業アプリケーションでの利用を可能にすることを目的として、コンポーネント各種を工業用温度グレードのオプションを用意した。また、Infineon Technologiesの統合電源管理IC(PMIC)を採用することで、狭いボードスペースながら、高い電力制御および監視を可能にしたという。
このほか、新たにニューラルネットワークの受託ビジネスを展開するシンコムとの協業として、Ultra96-V2にエッジに最適なクラス数の物体検出機能を実装可能としたという。具体的には、東京工業大学(東工大)の中原啓貴 准教授が開発したFPGA設計に特化したディープニューラルネットワーク開発環境「GUI based Neural Network SyntheSizer DREI(GUINNESS DREI)」を採用。これにより、MPSoCの使用率を50%以下として、システム消費電力も2.04Wと一般的なGPUの消費電力と比べ約1/4(シンコム調べ)に低減しつつ、枝刈り・量子化を含むニューラルネットワークの学習からFPGAへの実装までを、最短で約72時間で実現することができるようになるとしている。今後は両社の連係を背景に、カスタマのニーズに合わせたニューラルネットワーク開発における概念実証から 製品化までを、アヴネットがワンストップで提供する予定だという。