米エクイニクスは7月22日、ビジネス拡大を継続するグローバル戦略の一環として、日本で最大規模というIBX(International Business Exchange)データセンターである「TY11」を東京都心に開設した。TY11は第1フェーズで7000万米ドル(2018年5月発表当時のレートで約79億円)を投資し、950ラック、約3700平方メートルのコロケーションスペースを提供するという。最終フェーズの完了時には、合計3500ラック以上、約1万4300平方メートルのコロケーションスペースを提供する予定だ。
TY11の開設により、同社は東京で合計11拠点、大阪で2拠点のIBXデータセンターを運用している。東京都心部に開設するTY11は、CSP(クラウドサービスプロバイダー)に対し、Platform Equinixを通してユーザー企業により近いデジタルエッジにおけるサービス提供のほか、インターコネクションやデータセンターサービスの提供を通じて、シームレスで一貫性のある、セキュアなデータ転送を実現するという。
同センターは東京都江東区が指定する緊急避難区域に位置し、東京オリンピック・パラリンピックの会場にも近接しており、耐震性に優れ、複数の防災設備を備えている。自然災害発生時には高レベルのセキュリティと優れた運用サービスを提供して、ユーザー企業の事業継続性と安定性を確保するとしている。
同社のサスティナビリティへの取り組みを実施する施設として、都心部における環境への配慮を進化させた多様な設計を取り入れ、壁面緑化やエネルギー効率に優れた照明システムに加え、動的な気流管理により冷却能力を向上させ消費電力を削減する空調最適化制御システムを採用している。同様に、エネルギー消費量の削減と冷却能力の強化を実現するコールドアイルキャッピングも備える。
また、Equinix Cloud Exchange Fabric(ECX Fabric)をはじめとした広範な接続オプションを提供し、世界各地の1500以上のECX Fabricユーザーとオンデマンドでセキュアな接続を設定できるという。さらにTY2とダイレクト接続しており、TY2はPlatform Equinix内で80以上のネットワークサービスプロバイダーへのプライベートでセキュアなアクセスを提供し、高密度なネットワークエコシステムを形成している。
加えて、TY4とのダイレクト接続により、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、Teradataを含む国内285以上のクラウドおよびITサービスプロバイダーとのセキュアな接続を提供する。TY11のユーザー企業は、85以上の金融サービスプロバイダーが集う金融エコシステムとの接続性を確保でき、東京金融取引所(TFX)や東京商品取引所(TOCOM)といった主要な金融取引所などの、東京における金融取引の中心へのアクセスを可能としている。
そのほか、東京のIBXデータセンターは、JPNAP(Japan Network Access Point)、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)、BBIXなど、地域の主要インターネットエクスチェンジ(IX)へのダイレクトアクセスを提供する。