サイボウズは7月16日、両備システムズと協業し、自治体専用閉域ネットワーク「LGWAN」と業務クラウドプラットフォーム「kintone(キントーン)」をセキュアにつなぐ「R-Cloud Proxy for kintone」を両備システムズからリリースすることで、kintoneのLGWAN対応を実現することを発表した。また、同日にはkintoneなどを活用した住民サービスの向上や全庁的な業務改善を目的に、千葉県市川市と連携協定を締結した。
自治体では紙や表計算ソフトを使用するなど、手作業で行うバックオフィス業務が多い中、少子高齢化の進展や自然災害の対応をはじめ業務は増加し続けており、紙・表計算ソフト中心の業務は庁内の生産性向上を阻害するだけでなく、住民も各種手続きのために来庁が必要となり、日本における行政サービスの利便性が低い原因となっているという。
業務を効率化させるためにもクラウドサービスの導入需要は高まっているが、個人情報を取り扱う業務などにおいては閉域環境であるLGWANへの接続が求められるケースが多く、対応できるサービスが限られているのが現状となっている。
こうした官公庁のニーズに応え、国内初のサービスとして職員が通常業務で利用しているLGWAN接続端末からkintoneを利用できるR-Cloud Proxy for kintoneを両備システムズからリリースする。kintoneとLGWANを閉域でつなぐことで、住民の個人情報もインターネットから分離された環境で安全に取り扱えるようになるという。
市川市では、コミュニケーションアプリ「LINE」から住民票の写しなどのオンライン申請ができ、住民がLINEで請求した内容を職員がkintone上で受理する実証実験を行った。実証実験では、申請された住民票の写しは申請者の自宅へ郵送され、住民は一度も市役所へ行くことなく住民票の写しを入手することを可能としている。
また、同市では汎用性の高いオンライン申請サービスの導入について検討しており、LINEやWebフォームなどと連携できるkintoneの利点を活かし、市民がPCやスマートフォンといったモバイルデバイスから幅広い行政サービスの申請ができるよう取り組んでいく予定だという。
さらに、セキュアな環境で住民が申請できるようR-Cloud Proxy for kintoneの導入を予定しており、サイボウズ株式では、同市と連携協定を締結し、これらの取り組みを支援いたします。