宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車は7月16日、燃料電池車技術を用いた月面を走行するモビリティ「有人与圧ローバ」の実現に向け、試作車の製作・実験・評価を含む共同研究協定を締結したことを明らかにした。

共同研究の期間は2019年6月20日~2021年度末の予定で、各年度の研究内容については以下のとおり。

  • 2019年度:実際の月面走行に向けて開発が必要な技術要素の識別、一般市販車ベースの試作車の仕様定義
  • 2020年度:各技術要素の部品の試作、同試作車の製作
  • 2021年度:試作・製作した部品や試作車を用いた実験・評価

なお、トヨタは2019年7月1日付で、専門組織「月面探査車開発(室格)」を立ち上げ、年内に約30名規模まで拡大する予定としている。

また両者は2029年の打ち上げを目指した構想(案)として、以下のようなスケジュールを掲げている。

  • 2022年~:1/1スケール試作車の製作・評価、月極域での走行系に関するデータ取得・実証
  • 2024年~:エンジニアリングモデルの設計・製作・評価、フライトモデル(実機)の設計
  • 2027年~:フライトモデルの製作・性能品質検証
  • 有人与圧ローバ
  • 有人与圧ローバ
  • 有人与圧ローバのイメージ図 (C)JAXA/トヨタ