キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は7月16日、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」 のサービスとして「モバイル画像参照サービス」の提供を同下旬から開始すると発表した。新サービスはモバイル端末を利用し、どこでも迅速にCTやMRIなどの医用画像を参照することができ、在宅医療での活用や医療関係者の働き方改革を支援するという。
近年、少子高齢化による医療や介護の需要が高まっており、厚生労働省は2025年までに各地域にあった在宅医療や医療介護連携によるサービスを提供する地域包括ケアの構築を目指している。
一方、医療現場では人材不足やそれに伴う医療従事者の長時間労働も顕在化しており、働き方改革を進めている。労務管理や労働時間の短縮、業務の効率化にITを活用するだけでなく、地域ケア包括ケアの相互ネットワークを活かした総合的なサービスの実現のため、医療情報の一元管理や分析、活用ができる医療介護情報基盤が求められているという。
こうした医療現場の環境変化やニーズに対応し、同社は新サービスの提供を開始。医用画像は、診断や治療方針を決める上で重要だが、特殊なフォーマットで作成されるため簡単に閲覧することが困難だったが、新サービスは医療従事者が災害時などの遠隔医療や在宅医療現場でも、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で医用画像を迅速に参照できる(現状ではiOSのみ対応)ため、医療の質の向上や患者へのサービス向上を実現するとしている。
また、医療用クラウド基盤であるMedical Image Placeは、各省庁のガイドラインに準拠した高度なセキュリティ対策を備えていることに加え、院内と外部のネットワークを物理的に分離し、電子証明書認証によるなりすまし防止対策も万全だという。
価格は、税別で月額5万円(初期導入に関する端末費用ならびに設定費用、個別開発費は別途費用が必要)~、最低月間保管容量は500GBまでとなる。