ピュア・ストレージ・ジャパンは7月10日、都内でクラウドベースのストレージ管理・サポートプラットフォーム「Pure1」に関する記者説明会を開催した。
冒頭、米Pure Storage 副社長 兼 Pure1 事業部門ゼネラルマネージャーのダン・デキャスパー氏は、Pure1について「あたかも単一のデバイスを管理しているかのようなシンプルな管理により、多くのアレイの管理を可能にすることを目指している」と述べた。
そのために、Pure1はデータ、AI、機械学習による「自律型」、ハイブリッド環境を支援する「マルチクラウド」、ストレージのみならずアプリケーションやネットワーク、サーバなどにも拡大する「フルスタック」の3つの目標を掲げており、基盤として支えているものがAIおよび機械学習の機能「Pure1 Meta」となる。
ストレージは多様なアプリケーション、ワークロードが存在し、これらをつなぐ複雑なインフラもあり、オーバープロビジョニング(コストの消費)やアンダープロビジョニング(ダウンタイム)を引き起こし、人によるパフォーマンスの予測はほぼ不可能だという。
Pure1 Metaの実装により、インフラの最適化と自動化の支援、および、予測型サポート、AI駆動型の管理、マルチクラウド環境でのフルスタック解析を可能としている。
グローバルにおける同社製品の稼働状況など、1日あたり50TB、累計15PBに達するデータを収集・分析することでワークロードのサイズを把握・整理することができ、ワークロードのサイジングを適切に行えるという。
デキャスパー氏は「数千にのぼる変数に着目することで、各ワークロードの特徴を用いて機械学習のモデルを構築する。そしてモデルにワークロードを学習させ、アレイ上の負荷を算出した上で結果をはじき出す。モデルが計算したワークロードと、実際のワークロードを比較・修正していくことで両方のワークロードが合致させていく」と説く。
これにより、パフォーマンスと容量の変化(将来の予測)、ハードウェアアップグレードの影響(ハードウェアシミュレーション)、ワークロード変更の影響(ボリュームシミュレーション、近日リリース予定)などのストレージ管理を実現しているという。
また、予測型サポートは過去データの解析結果を利用してアレイを精査した上で既知の問題との識別照合を行い、障害の原因となりうる脆弱性を検知するとサポートチケットを自動生成し、顧客に警告。
さらに、重要なアレイ管理指標を1つのビューに表示する「グローバルダッシュボード」、Pure1でFlashArrayシリーズ搭載のOS「Purity」をオンプレミスからパブリッククラウドにつなぐCloud Block Storeと、クラウドとオンプレミスの環境間における高速バックアップとリカバリにより、両環境をシームレスに連携させるObjectEngineを管理することを可能としている。
加えて、大規模エンタープライズのユーザーは自社で管理システムを有していることから、Pure1から情報だけ入手して利用したいというニーズがあり、これに対応するためにRest APIを提供しているほか、PythonやJavaなどの言語に対応したSDKを提供している。
そのほか、仮想ディスクやVM、ESXi ホスト、データストア、ボリューム(LUN)、アレイまで各レイヤの性能情報をフルスタックで表示できるVMware vSphere環境に対応した「VM Analytics」、すべての同社製品のサブスクリプションを1カ所で表示・管理する「サブスクリプション管理」などの機能を備える。
そして、近日中にはローカルで動作するオープンソースツールキットとして「Pure1 Unplugged」のリリースを予定している。なお、Pure1はクラウドベースの従量課金制でストレージを利用でき、企業はシステムを停止せずに数日で運用開始を可能とし、Tier1向けのエンタープライズグレードの機能を持つ「Evergreen Storage Service」を利用していれば、無償で提供される。