クリックテック・ジャパンは、Accenture、Cognizant、Experian、Pluralsight、CIMおよびData to the People の6社のパートナーと共に立ち上げたコミュニティ「データ・リテラシー・プロジェクト(Data Literacy Project)」が、世界中の組織や個人によるデータの理解、分析、活用を推進するために開発した18の英語版無償コースから9コースを日本語化し、提供を開始した。

  • 日本語版の「データ・リテラシー・プロジェクト」のWebサイト

データ・リテラシーの広範な欠如に対応するために発足された「データ・リテラシー・プロジェクト(Data Literacy Project)」は、データという言語に精通した社会の実現を目指すコミュニティとして、組織や個人の成功の中心にデータ・リテラシーを据え、組織や個人が利用できる最も広範なリソースエコシステムの構築を目的として、教育プログラム、専門トレーニング、インタラクティブな評価ツール、エキスパートによるサポートなどを提供する。

  • 「データ・リテラシー・プロジェクト」が提供する教育プログラム

なお同社ではデータ・リテラシーを、「データを正しく読み込み、取り扱い、分析、議論ができる能力」と定義しており、とくに議論ができる能力に注目しているという。

その理由を、米クリックテクノロジーズ 製造・テクノロジー部門担当 Jeremy Sim(ジェレミー・シム)氏は、「データを分析した結果だけでなく、他社とのコラボレーションすることに意味がある」と説明した。

  • 米クリックテクノロジーズ 製造・テクノロジー部門担当 Jeremy Sim(ジェレミー・シム)氏

今回日本化されたのは、セルフサービス型のオンライン学習プラットフォームを基盤として、「データ・リテラシー・プロジェクト」のWebサイト上で提供されるもので、個人のペースで進められるオンライン学習モジュールに加え、総合的なデータ分析に関する認定システム、教師や生徒向けの学習リソース、データの役割に応じてトレーニングロードマップを取得できる個別の評価ツールなども利用可能。とくにデータサイエンティストを目指す人向けではなく、広く一般の人向けのコンテンンツだという。

  • 個別の評価ツール

オンライン学習モジュールでは、1.なぜ分析なのか、2.データ・リテラシーの文化、3.データの基礎、4.集計について、5.分布について、6.信号とノイズについて、7.ABテスト分析、8.相関と因果関係、9.単回帰分析で構成。

  • オンライン学習モジュール

無償コースは、すべての人がデータを理解し、活用できるように支援するだけでなく、データ・リテラシーの文化やデータ主導の意思決定が組織内で促進されるようにも設計されているという。

今回、英語以外では初めて日本語化のコンテンツを提供する背景として、昨年度同社が発表した「データ・リテラシー指標(Data Literacy Index)」において、日本が調査対象国の中で最も低いスコアとなったことがあるという。また、とくに日本とオーストラリアで同社の収益が高く、重要視している市場であることも背景にあるという。

  • 日本のデータ・リテラシースコアは最低

同社がこのようなコンテンツを提供する理由について同氏は「これまで焦点の当たっていなかった『人』に焦点を当てることで、データ・リテラシーのスキルギャップを埋める」と語った。