富士通研究所は4日、ブロックチェーンを活用し、オンライン上での取引における相手の信用判断に寄与する技術「IDYX(IDentitY eXchange)」を開発したことを発表した。
「IDYX(IDentitY eXchange)」は、改ざんできない分散台帳にデータを格納するブロックチェーン技術を用いて、個々のトランザクション評価を全体から分析し、より信頼性のある評価基準を構築する。
トランザクションデータをノードとエッジからなるグラフ(Graph)構造に変換、データ構造からユーザー信頼度の"重み"をくわえた信用度をスコアで評価することができるため、第三者との間で不正に評価をつり上げるような行為、詐称の可能性の特定も可能とする。ユーザー相互間の関係性が"希薄"なのかそうでないのか?という分析がこれを実現している。また一部の本人情報の開示だけで真偽を証明でき、不必要な個人情報を取得せずに取引を加速できるメリットもある。
富士通研究所では、近年のシェアリングサービスやマッチングサービスなど企業/個人問わず"信用"をベースにした新しいビジネス形態が増加しているが、事業者や利用者のアイデンティティーを正確に相手に伝えることが重要になってきていることを述べている。
なお、今回発表された技術は、「FUJITSU Intelligent Data Service Virtuora DX データ流通・利活用サービス」の新機能として2019年度中に実装する予定。