JAL(日本航空)は3日、整備士が国家資格を取得するための訓練の一部にVRを取り入れたトライアルを実施することを発表した。

  • エンブラエル190/170の機内サービスサイト(JAL公式<a href="https://www.jal.co.jp/dom/special/jair/index.html" target="_blank">サイト内</a>)

    エンブラエル190/170の機内サービスサイト(JAL公式サイト内)

トライアルは、JAL Innovation Labのプロジェクトとして7月から9月の期間中にエンブラエル170型機、190型機の整備士養成訓練の補助ツールとして導入される。教材は、VRやMRの技術利用教育システムを手がける東芝システムテクノロジーが行っており、音や計器の動きなど精度の高い再現性が求められるエンジン試運転の工程をCGで再現。整備士は、身体を動かしながら実際に近い環境で作業を学べるほか、訓練後には"テストモード"で正誤を確認できるなどVRならではの仕組みも搭載されている。

  • VR教材が追加される訓練工程(JAL資料より)

    訓練工程(JAL資料より)

JALは2018年5月にJAL Innovation Labを開設。アイデア発想エリア、プロトタイプ制作スペース、プロトタイプ検証エリアを持つ約500平方メートルのオープンイノベーション拠点を構築。以来、数多くの企業と先端技術を活用した試みを重ねている。

今回のトライアルでは、航空機を地上で支える整備士たちの効率的な学習を検証するものだが、航空機の信頼性が高まり不具合が減少するなかで、整備士が実際の飛行機で作業する機会も同様に減少していることを述べている。同社は機会が減少しても技術者を継続的に育成していかなければならないという課題に対して、再現性の高いVR空間を活用し、航空機の運航には不可欠な人材育成と安全運航への取り組みを進めていく構えだ。