IDC Japanは7月2日、2018年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表した。これによると、同年の国内ITサービス市場は5兆6664億円で前年比成長率は2.1%となった。
ベンダー売上の上位5社は1位から順に富士通、日立製作所、NTTデータ、NEC、IBMとなり、NECが2位から4位に順位を下げた一方で、日立とNTTデータが順位を上げている。
サービスセグメント別に見ると、プロジェクトベース市場では製造や流通、政府/公共分野を中心に既存システムの刷新/更新需要の拡大により、上位10社すべてがプラス成長を遂げ、安定成長が続くマネージドサービス市場では上位ベンダーのランキングに大きな変化はなく、富士通が1位をキープしている。サポートサービス市場では、縮小傾向が続くハードウェアサポート&保守市場の影響を受け、上位10社のうち3社はマイナス成長となっている。
産業分野別では金融向けはメガバンクのシステム統合案件の反動減を保険やクレジットカードなど、銀行以外の案件でリカバリーする状況が続いている。製造向けでは、三菱重工の情報システム子会社を買収したNTTデータが20%を超える高成長を遂げ、政府/公共向けは官公庁や大手電力会社向けの大型SI案件で売り上げを伸ばした日立が前年の3位から1位に順位を上げている。
前年比売上成長率が最も高かった大手ITベンダーは、前年同様にアクセンチュアとなり、参考資料に掲載した上位7社には含まれていないが、すべての産業分野で二桁台後半以上のプラス成長を遂げ、ITサービス事業が大幅に拡大しているという。
同社のITサービス リサーチマネージャーである木村聡宏氏は「ITサービスベンダーが、DXを事業機会として取り込むためには、企業のデジタルジャーニーを理解し、事業モデルの転換とビジネスプロセスの変革を急ぐべきである」と述べている。