ウエスタンデジタルは6月18日(米国時間)、SiFiveとの提携により、PlatformIO Labsと新たな戦略的パートナーシップを締結し、ベンダに依存しない組込開発基盤「PlatformIO」に新たなツールを追加して拡張し、RISC-V開発などの革新に向けたエンドツーエンドのオープンな環境を提供していくことも明らかにした。
また、ウエスタンデジタルは、オープンソースの独自RISC-Vコアである「SweRV RISC-V Core」とキャッシュコヒーレントファブリック「OmniXtend」の主な機能の強化も発表した。
ウエスタンデジタルでは、PlatformIO Labsとの戦略的パートナーシップにより、デバッグからトレースまで同社のマルチアーキテクチャの組込設計環境をオープンソースコミュニティに全面的に導入することが可能となるとしている。具体的には、RISC-Vなどのアーキテクチャ開発に携わるソフトウェアプログラマは、PlatformIOが従来有償で提供していたPIO Plus Unified DebuggerやPIO Uniting Testing Engineツールが含まれるPlatformIO Plusを無償で活用できるようになるという。
また、RISC-V SweRV CoreとOmniXtendの強化により、RISC-V開発のハードルを下げることも可能になるとしている。例えばSweRV Core 1.1には、性能と信頼性を向上させるさまざまな強化として、除算やフェッチ機能の高速化、I/Oタイミング制御の組み込み、誤り訂正の改善、マルチコアのデバッグの強化が施されたとしている。さらに、ウエスタンデジタルでは、社内用途向けに設計した32ビットのインオーダーのSweRVコアをRISC-Vエコシステム向けにオープンソースとして提供を開始したとしており、今後もこうしたRISC-Vの取り組みに関する支援を強化していくことで、RISC-Vにおける自社の地位向上をはかり、人工知能(AI)、機械学習(ML)、IoTなどのアプリケーションの成長に伴うデータ爆発への対応を図っていくとしている。