みちのりホールディングス(みちのりHD)と茨城交通は6月20日、道の駅「ひたちおおた」を拠点とする自動運転サービス実証実験地域協議会と協力し、茨城県常陸太田市での中山間地域における道の駅などを拠点とした自動運転サービス実証実験に参加すると発表した。実証実験は国道交通省が内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の枠組みの中で、高齢化が進行する中山間地域における人流・物流の確保のため、2017年度から行っている。
実証実験では、KDDI総合研究所、ジョルダン、パイオニアとともに中山間地域におけるファースト/ラストマイルサービスとして自動運転サービスを導入する際に必要となる技術やサービス内容に関して「遠隔からの車両運行監視システム」「安心・安全な自動運転サービス実現に向けた検知システム」「幅広い年齢層に対応した車両予約システム」「自動運転社会を前提とした車両点検システム」の4点について検証・検討を行う。
これらを通じて、地域産業の高度化や豊かな交通社会の実現など地方創生に向けた自動運転に関する多様な課題に取り組み、解決していくという。
同実験は、6月23日から7月21日までの予定で茨城県常陸太田市の高倉地域で行い、走行距離は約1.8km、実施時間帯は8時から17まで毎日運行し、走行車両にはヤマハ発動機が提供の自動運転車両を使用する。
車両運行監視システムはKDDI総合研究所の技術を用い、車両内外の映像を茨城交通側の運行監視センターに送信し、トラブル時には監視側と車両側で音声によるコミュニケーションが取れる手段を提供する。
検知システムはパイオニアの技術を利用し、自動運転車両の死角になる道路の路側に3D-LiDARセンサを設置。その情報を運行監視センターに通知するとともに、車両側にも3D-LiDARセンサを搭載し、ルート上の乗車希望者を検知する仕組みも実装することで、運行技術の検証を行う。
車両予約システムはジョルダンの技術となり、交通モードとして自動運転車両が一般的となる社会を想定し、幅広い年齢層が活用できるよう操作性・視認性に配慮したUIをコンセプトとした、車両予約システムを導入するという。
なお、乗降時の本人の認証の仕組みとしてNECの顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud GPS連携サービス」と連携する。車両点検システムは、茨城交通およびジョルダンの技術によるもの。茨城交通の協力の下、ジョルダンが、遠隔スタッフによる車両点検を行えるタブレット・システムを開発・提供する。