サイオステクノロジーは6月20日、サブスクリプション(利用量に応じた従量課金) ビジネスを支援するプラットフォーム「SIOS bilink」のβ版を本日より提供開始すると発表した。
サイオス 代表取締役社長の喜多伸夫氏は、これまでオープンソース・ソフトウェアやクラウドに関連したビジネスをコアとしてきた同社がサブスクリプションビジネスに参入する背景について、次のように説明した。
「当社はビジネス戦略として、テクノロジーを販売する企業から社会課題をテクノロジーで解決する解決する企業へ転換することを掲げている。また、イノベーションによって人々の課題を解決し、よりよい社会の実現に貢献することをサイオスグループのミッションステートメントとしている。今、世の中はモノではなくコトを売る時代、所有から利用の時代になりつつある。そうした中、われわれが何ができるかを考えて出てきたのが、サブスクリプション・ビジネスのサポートだった」
「SIOS bilink」はリ「カーリングルールエンジン」「データ、システム連携基盤」「収益最大化支援」で構成される。β版ではその第1フェーズとして「リカーリングルールエンジン」に対応する。
サイオステクノロジー 第2事業部 プロフェッショナルサービス事業企画部 担当部長 二瓶司氏は、「SIOS bilinkはサブスクリプションビジネスの事業担当者にフォーカスした機能を提供する。既に提供されているサービスがあれば、それを使ってほしい。われわれはAPIでさまざまなサービスを連携するデータハブを目指している」と語った。
「リカーリングルールエンジン」は複雑な従量計算を自動化するもので、毎月の課金、原価配賦、レベニューシェアの計算を不要にする。ルールエンジンのロジックとデータの入出力に関わる機能として、「担当者管理機能」「顧客情報管理」「顧客情報登録更新」「統計情報登録・更新」「請求額確認」をAPIとGUIの双方で提供する。
リカーリングルールエンジンの課金ルールのパターンは「固定(初期/期中)」「従量」「割引/割増(定額/定率)」「段階」の4種類が標準で用意されている。課金体系のオプションとしてこれらの組み合わせにも対応している。
二瓶氏は「SIOS bilink」のさらなる特徴として、SaaS版とオンプレミス版の選択、OEM提供が可能であることを挙げた。競合製品はマルチクラウドがオンプレミスのどちらか一択であることが多いという。SaaS版は、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」採用している。
今後、第2フェーズとして「データ、システム連携基盤」を追加、第3フェーズとして「ビジネス収益の最大化支援」機能を追加する。
今年10月には大手コンテンツプロバイダー事業者が「SIOS bilink」の利用開始を予定しており、それに合わせて「SIOS bilink」の正式提供も計画されている。料金は個別見積りだが、SaaS型の料金は利用しやすい価格帯を想定しているという。