SDNコントローラーやベアメタルスイッチ向けのOSを提供する米Big Switch Networksは、今年の4月、米Dell EMCにOEM提供することを発表しているが、6月20日、国内においてこの件について改めて説明した。
Dell EMCは2014年からBig Switch Networksのパートナーなり、Big Switch Networks製品を提供してきたが、新たにOEM提供が加わったことで、今後は、Dell EMCのカタログにBig Switch Networksの製品を掲載し、Dell EMCの製品として販売していく。なお、ブランド名はBig Switchのまま。
OEM提供によりユーザーは、Dell EMCからハードウェアとセットで一括して購入できると同時に、Dell EMCによるBig Switchのサポートを受けられる。
Dell Technologies ネットワーク事業部 事業部長 西澤均氏によれば、日本市場においては、日本語によるサポートを提供できる点が大きいという。
同氏は今後日本においては自動化を推進していくほか、セミナー、デモ、ハンズオンなどなどによるテクノロジーや商品の紹介を行っていくとした。また同氏は、本社川崎にテスト・検証施設として、「Open Networking Center Excellence」を開設したことも発表。今後、これらを通して、顧客を新しいテクノロジーに導いていくという。さらに、Dell EMCの販売ボリュームの大きさを活かし、価格的なメリットも追求していくという。
Dell Technologies Asia Pacific & Japan ネットワーキング事業担当 ゼネラルマネージャー シャンカー スブラマニアン(Shankar Subramanian)氏は、Big Switch Networksとの連携を深めた背景について「Dell EMCのネットワークの基本はオープンネットワークであり、すべての場所においてオープンであることが必要だ。それによってユーザー選択の柔軟性を高め、イノベーションも好きなタイミングで行える。そういう体制を整えていくことが重要だ。お客様にどのような価値を提供していくのかということを考えたとき、可視性を高め、モニタリング能力を高めていくことが必要だ。それをBig Switch Networksと一緒に提供していきたい」と説明した。
また、米Big Switch Networks社 バイスプレジデント スシール チトレ(Susheel Chitre)氏は、「この4年間の売り上げの伸びの多くはDell EMCともに達成したものだ。パブリッククラウドの環境構築は簡単だが、オンプレミスでは、サーバ、ストレージは簡単だがネットワークの構築は悩みがあり、そこにBig Switch Networksが役立つ。考え方の基本はクラウドファーストだ。それは、オンプレミスにおいて、パブリッククラウドの技術を使って簡単に環境を構築できるようにすることだ。また、オンプレミスとパブリッククラウドの両方を使う場合でも一貫性や統一性をもって利用できる。今回の提携によって、われわれからはSDN ControllerとLight Weight Network OSを提供し、スイッチのハードウェアをDell EMCが提供する。そして、BIG CLOUD FABRIC CONTROLLERによって、データセンターすべてを管理していく。今回の提携によってデータセンターに必要なハード、ソフトをすべてを提供できるようになった。128個のスイッチに構成される巨大な環境でも2-3時間で構築できる」とOEM提供のメリットを語った。