キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は6月13日、富士通、三菱UFJニコスと金融機関向けキャッシュレス決済システムを共同で開発・構築し、明治安田生命保険に導入したと発表した。キヤノンMJでは、同システムのノウハウや技術を活用し、各金融機関向けの開発案件を獲得することで金融機関向けソリューション事業を強化していく。
新システムは決済端末「CA-P1」とタブレット端末を連携させ、クラウド型統合決済プラットホームを経由し、カード情報の認証を行えるため、顧客先での決済が可能。また、決済に要する時間の短縮や事務手続きの手間を軽減することができ、安心・確実な取引を支援するという。
また、クレジットカードの読み取り時にカード情報を暗号化するだけでなく、分解などの不正な操作を行うと検知し、内部情報を消去できるため紛失時も安全であり、暗号化されたカード情報は、決済端末には保存されず、決済情報処理センターに送られ復号化されるため強固なセキュリティでプライバシーを確保するという。
新システムの提供にあたり、富士通はキャッシュレス決済アプリケーションの開発と決済インフラを構築し、三菱UFJニコスは各決済センターの取りまとめを担当。キヤノンMJはでノウハウや技術を活用し、生命保険だけでなく銀行や信用金庫などの金融機関や大手企業を対象にカスタマイズして提供し、顧客満足度の向上を支援するほか、金融機関向け業種別ソリューション事業を強化し拡充していく考えだ。
決済端末のCA-P1は、暗証番号入力時にカバーが目隠しとなる覗き見防止のデザインや、プリンター一体型端末により控えをその場で印刷することで、決済内容をすぐに確認できるほか、分解などの不正な操作を行うと検知するタンパー機能で内部情報を消去することで、外部からの改変を避けることができるため、盗難や紛失時も安全だという。
また、ICクレジット決済に必要な国際セキュリティ基準「PCI-PTS4.1 with SRED」と「EMV Level1 / Level2」に対応し、各種決済情報センターとのDUKPTによる暗号化通信により、安全な利用を可能としている。
さらに、料金収納時のクレジットカードやデビットカードの利用を可能とし、振替用口座の登録・変更ではキャッシュカードによる登録ができ、従来手続き時に必要だった銀行届出印や書類が不要となり、決済に要する時間を短縮することで、顧客の負担を軽減するとともに、事務手続きの手間やリスクを低減できるという。