第一生命保険と日本IBMは6月12日、第一生命コンタクトセンターの応対品質向上を目的にIBM Watsonを活用し、顧客との通話内容に応じてコミュニケーターへの回答候補となるFAQをリアルタイムに提示するAIコンタクトセンター支援システムを導入すると発表した。また、発生頻度の低い問い合わせにも適応できることから、応対品質の格差改善を実現するという。

新システムは、複数のAIサービスを併用したコンタクトセンターシステムをIBM Cloud 東京データセンターのアベイラビリティー・ゾーンに配置した日本の保険業界初の事例となり、4月から一部のコミュニケーターを対象に先行活用を開始しており、10月以降に順次対象を拡大し、全170人のコミュニケーターに展開する。

また、クラウド・ネイティブ・アプリケーション開発手法を採用し、AIを活用したアプリケーションの俊敏性や将来の可搬性を担保するために、稼働環境にはオープン・スタンダード技術のコンテナおよびKubernetesをベースとした、IBM Cloud Kubernetes Serviceを採用。これにより、保険業務に耐えうる高可用性を実現し、問い合わせの集中、新商品や法改正にも柔軟に対応できるシステムとなっている。

さらに、IBM Cloud上のIBM Watsonの自然言語処理による「意図分類機能」が顧客との通話内容に合わせたFAQ候補を、画面上に識別しやすくカラー表示し、発話のクラス分類を行い、問い合わせ内容に類似したFAQ候補を選び出すほか、「情報探索機能」との組み合わせにより、学習量の少ないFAQに対してもキーワードによる類似検索を実施することで正答率を高める工夫を施しているという。