米IC Insightsは6月5日(米国時間)、今後5年間の半導体ICの最終アプリケーション別市場予測を発表。2019年以降は、これまで最大市場であったコンピュータ用IC市場を通信用IC市場が上回り、最大の市場になるとの予測を明らかにした。
通信用ICは、1998年のシェアは18.5%であったものが、2018年には36.4%へと拡大。最大市場であるコンピュータ用ICのシェアに肉薄するまで成長を続けてきた。過去、2013年頃にも一時的に通信用ICがトップシェアとなったが、2017年および2018年に続いたメモリバブルの影響で再びコンピュータ用ICのシェアが拡大、通信用を抑えトップシェアを獲得していた。
しかし、2019年のメモリ市場は前年比30%減と大きく縮小することが予測されていることもあり、結果として通信用ICのシェアがコンピュータ用ICのそれを超し、その状態が少なくとも2023年まで続くとIC Insightsでは予測している。
高い成長率の車載ICだが、市場規模はまだ小さい
車載IC市場は、1998年に市場シェア4.7%であったものが、2018年には8.0%まで成長してきたこともあり、近年、多くの半導体メーカーが期待するようになってきた。しかも、2018~2023年の年間平均成長率も9.2%と、ICカテゴリ中もっとも高い成長率が期待されるが、まだほかの通信やコンピュータといった巨大市場と比べ、規模そのものが大きくないことから、2023年になっても市場シェアは10%を超えることはないと見られ、半導体市場のけん引役になるという存在にはなれそうにはない。
一方、コンピュータおよびコンシューマIC市場は過去20年にわたって成長が伸び悩んでいる。また、産業用/その他IC市場は、2013年ころまで、漸減傾向が続いていたが、近年のIndustrie 4.0などに代表される自動化に対する動きが世界的なトレンドとなっていることもあり、今後はそのシェアを拡大していくことが期待されている。
なお、同社では、ICの最終マーケットのシェアについて、これらの数字は、通常、急激ではなく着実なペースで変化しているということであるとしており、長い期間にわたって観察していく必要性を強調している。