横河電機は6日、フィンランドの企業Sensire Ltd.に600万ユーロ(約7.4億円)を出資することを発表。いわゆるコールドチェーン・モニタリング分野で協業する。
Sensireは化学薬品や医薬品、冷凍食品など物流や保管において、継ぎ目の無い低温を維持しなければならないコールドチェーン・モニタリング分野でのソリューションをクラウドやIoT、データ分析を活用してサービスとして提供するフィンランドの企業。倉庫や屋内の計測システムTempNet Storage、貨物などのワイヤレス環境でのTempNet Logger、データの可視化を行うTempNet Cloud、データからの洞察や知見を紡ぎ出すTempNet Analyticsなど環境に応じたコールドチェーン・モニタリングを行っている。
横河電機は、昨年5月に100%子会社となるアムニモの立ち上げを発表している。同社はMeasurement as a Serviceを掲げ、複雑なシステムインテグレーション無しでの、"現場で測る"、"クラウドにつなげる"、"データを活用する"をサブスクリプション型で提供することを目指している。今回の出資によりアムニモが開発中のサブスクリプション型のIIoTサービスにSensireのコールドチェーンにおける温度監視ソリューションを組み合わせた新サービスの開発・提供が可能になるとする。
横河電機 常務執行役員マーケティング本部長の阿部剛士氏は、売り切りではない継続的な収益モデル"リカーリングビジネス"や医薬品や食品分野での事業拡大など同社が中期経営計画で言及する施策を加速させるものであることを述べている。また、Sensire創業者でCEOのJP Asikainen氏は「横河電機との協業は、グローバルビジネス拡大への足掛かりとなるとともに、当社のソリューションの次世代クラウドアーキテクチャへの移行を実現するものと考えています。両社の技術により、より幅広い用途、領域へのアクセスが可能となると期待しています。」とのコメントを寄せている。