NTTコムウェアは、アジャイル手法による協創型イノベーションを将来的なビジネスの柱にしようとしており、その一環として新たな開発拠点「COMWARE TO SPACE」を東京・品川シーサイドの同社オフィス内に開設し、プレス向けに公開した。
同施設は、アジャイル開発の手法の一つである「スクラム」による利点を最大限に享受できる場として開設した開発拠点で、チームとして最大のパフォーマンスを発揮できる”場作り”に挑戦するとしている。
同社 代表取締役副社長 黒岩真人氏は、「今後は徹底的なUXアプローチでサービスを企画・具体化、仮説検証を繰り返すことと、インテグレーションとデリバリを継続的に実施し、サービスの価値を向上させるアジャイルアプローチが不可欠」と述べた。
そして、同氏はアジャイル開発を推進するには、Process、Pepele、Placeという3つの「P」が鍵になるとした。
「COMWARE TO SPACE」は、この中のPlaceの部分だ。300平方メートルのスペース中に、Design Wall、7つのBase Camp、HUB、Insight Squareという5つのゾーンを配置した。
テレコムビジネス事業本部 SOソリューション部 担当部長 大森潤氏は、「COMWARE TO SPACE」の狙いを、「各社のビジネス協創に向けの取り組みは、多くはビジネス企画やサービス企画の部分。われわれが取り組んでいくのは、アイデアや企画をソフトウェアの形で実装し、仮説検証を行い、リーン・スタートアップして継続的な開発を行っていく工程だ。これまで、弊社がアジャイル開発を行ってきた中で成功の鍵だと考えるのは、『チームビルディング』と『コミュニケーション』の部分だ。また、エンジニア間のオープンコミュニティの力にも注目しており、異なるチームのエンジニア同士が知識交流したり、課題解決していけるような場を提供したいと思っている」と説明した。
設計の際には、プロダクトオーナー、スクラムオーナー、デベロッパーの日々の行動パターンを分析したほか、心情・心理など感情にも注目したという。そして、それをゾーニンングやツールの選定にも役立てたという。
一方人材育成に関しては、同社はこれまで研修と案件支援を行ってきたが、この中で、ビジネスとITの連動の重要性を実感したという。そこで今回、ビジネス・ITの連動型研修プログラムを新たに開設。この研修では、短いサイクルでビジネスの企画や開発に対応できるよう、デザイン思考やスクラム開発を一気通貫で体験できるようにし、基礎知識・マインドを習得させる。特にトレーニー社員(入社1~2 年目)については、必須化する等、早期育成を行う。
さらに、アジャイル人材認定制度「COMWARE TO AGILE」の運用を開始し、社内外に認定の見える化を図る。
これらの施策により同社では、アジャイル人材を現状の300名から2021年には1500名体制に強化するという。