Mozillaは6月6日(米国時間)、「Next steps in privacy-preserving Telemetry with Prio|Mozilla Security Blog」において、今後のトラッキング回避機能の強化について説明した。Mozillaは今後リリースされるFirefoxからトラッカーによるトラッキングをデフォルトでブロックするように挙動を変更するが、今後どのようにしてブロック機能の強化を図っていくかについて説明している。
Firefoxのトラッキング防止機能はブロックリストの上に構築されている。当然、トラッカーはこのブロック機能を回避する方法を探ることになる。Mozillaはこうしたトラッカーのトラッキング防止機能を回避する動きを検出し、ブロッキングを機能させるために、統計データ集計システム「Prio」をベースに構築された統計データ集計機能を利用すると説明している。
トラッカーを発見するにはユーザーからデータを得る必要があるが、その際、プライバシーに関する懸念が発生する。Mozillaは2018年後半、プライバシー保護が考慮された「Prio」を使った実験に取り組み、一定の成果を収めたと説明。この機能を活用したデータ収集を実現するため、「Firefox Origin Telemetry」を開発したとしている。Mozillaはまず最新の開発版のユーザーの1%未満を対象に、このシステムを使ったトラッカーデータの集計に取り組むとしている。
Firefoxは主要Webブラウザの中で最も積極的にプライバシー保護機能の実装に取り組んでいる。トラッキングの防止も以前から積極的に取り組んでおり、今後さらにこの機能を強化し、他の主要Webブラウザとの差別化を進めるものと見られる。